団地・近代化遺産・建築・まちなみ

三池炭鉱三川坑

三川坑05
三池炭鉱三川坑
福岡県大牟田市西港町
竣工 1940(昭和15)年
撮影 2012年11月

毎年11/3の文化の日に開催される「大牟田・荒尾の近代化遺産一斉公開」では、両市に現存する三池炭鉱の遺構などが一般公開されます。もっとも、宮原坑や万田坑といった坑口は他の日でも見学可能で私も既に見ていますが、2012年はあの三川坑が初めて公開されると新聞報道で知り、これはぜひ見なくてはと行ってきました。
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炭鉱について簡単に説明しておくと、炭層(石炭の層)は地中や海底に広く分布しており、石炭を採掘するためには地中深くまで坑道(トンネル)を掘る必要があります。坑道の出入口を坑口といい、三池炭鉱の場合、福岡県大牟田市を中心に複数の坑口が点在しています。そのうち、明治時代に開坑した宮原坑万田坑は国の重要文化財として保存されている一方、その他の坑口は放置か解体されているのが実情です(宮浦坑はいちおう保存されている)。今年の9月には、有明坑跡地に残っていた2本の竪坑櫓が解体されてしまいました。

そうした状況において、坑口や関連施設が比較的よく残っているのが三川坑です。三川坑は1940(昭和15)年に開坑した三池炭鉱の主力坑で、「総資本対総労働」と呼ばれた大規模労働争議の三池争議では主戦場となり、1963(昭和38)年の炭塵爆発事故では458人が亡くなりました。また、事故によるCO中毒患者は今も後遺症に苦しんでいます。いろいろな意味で重要な存在であり、三川坑なくして三池炭鉱の歴史は語れません。

さて、今回私は電車で大牟田に入り、シャトルバスで万田坑などいくつかの遺構を回った後で三川坑を訪れましたが、上述の歴史的経緯から人々の関心は非常に高く、三川坑が最も賑わっていました。見学者は、当時を知っていたり実際に炭鉱で働いていたという年配の方々が目立ち、バスの中では、あの炭塵爆発事故で救護活動にあたった話をされる方もいました。他には、私のような産業遺産・廃墟好きらしき男性が何人かいましたね。



以下、構内の写真を並べておきます。なお、老朽化のため建物の中はすべて立ち入り禁止でした。

三川坑06
冒頭に載せた正門の柱に付いているプレート。

三川坑07
事務所

三川坑08
1949(昭和24)年の昭和天皇の御巡幸に際して造られた日本庭園。池は枯れています。

三川坑09
日本庭園と、機械・電気・採掘等に関する設備の設置や撤去等を計画する部署があった棟。建物名は分かりません。

三川坑14
第二斜坑の入昇坑口。後述する繰込場で点呼を受けた後、渡り廊下を歩き、ここを通って人車乗り場に向かいます。

三川坑15
入昇坑口と繰込場をつなぐ渡り廊下。

三川坑10

三川坑04
繰込場という入坑前に作業の確認などを行う場所。けっこう大きな木造建築物。2階は講堂とのことで、柱の無い大空間と思われます。おそらくそのためでしょう、側面にバットレスが付いています。

三川坑11
職員浴場と鉱員浴場のふたつあるうちの職員浴場の方。鉱員浴場は現存せず。

三川坑12
コンプレッサー室

三川坑13
第一斜坑の巻揚機室。坑口そのものは現存せず。

三川坑16

三川坑01
第二斜坑の坑口。ここから有明海の海底に坑道が延びています。この坑口が目視できただけで私は満足です。

三川坑02
第二斜坑のスロープ。写真左手前が坑口の方向。レール上を動く人車と呼ばれる車両に乗って鉱員は地下に向かいました。左に朽ちた人車が残っています。

三川坑03
スロープを別角度から。奥の建物は前述の繰込場です。

三川坑17
錆だらけになった人車。

三川坑18
炭鉱の守り神である大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)の鳥居。奥に祠らしきものが見える感じがしましたが、樹木に阻まれてよく分かりませんでした。


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[ 2012/11/04 20:30 ] 近代化遺産 炭鉱 | TB(0) | CM(0)
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