鎌田友介《Japanese houses (Taiwan/Brazil/Korea/U.S./Japan)》

このうち鎌田友介の《Japanese houses…》は、福岡市のアート推進事業 Fukuoka Art Next の一環で2022年に創設された「福岡アートアワード」の第1回における市長賞（最優秀）受賞作だ。受賞作は福岡市美術館が買い上げて所蔵する。#福岡アートアワード pic.twitter.com/fpZE3lEIPP

— タケ (@take_all_a) October 16, 2023

ここからの写真は常設展示前の「第1回福岡アートアワード受賞作品展」（2023/3/29～6/11）で撮影したもの（撮影可）。鎌田友介は、海外で戦前・戦中に建設された日本家屋のイメージを用いて、日本人が忘れつつある過去を批判的に問い直すことを創作活動の柱の一つとしている。 pic.twitter.com/JQQHb9Zciz

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本作のタイトル《Japanese houses (Taiwan/Brazil/Korea/U.S./Japan)》に並ぶ国々のうち、台湾と韓国は植民地時代に、ブラジルは日本人移民の住まいとして、それぞれ日本家屋が建設された。 pic.twitter.com/9TDFteJfqR

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アメリカについては第2次世界大戦中、焼夷弾の開発課程で燃え方を実験するための日本家屋がユタ州の砂漠に建設され、実物は現存しないものの図面は残っている。この実験用日本家屋の設計者がアントニン・レーモンドであることは建築界では有名な話。 pic.twitter.com/aIgjyYJX85

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本作は作家が各国で撮影・収集したこれら日本家屋の写真や図面、木材といった断片を、日本の伝統様式である床の間を模した形で再構成したものだ。このような視点の重層化は、複雑な日本近代史を可視化する試みといえるだろう。 pic.twitter.com/NuT1K5YJ20

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鎌田友介の略歴、コメントと作品のキャプション。 pic.twitter.com/bGq3t4u2F2

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以下は余談。第1回福岡アートアワードの受賞作家3名（鎌田友介、チョン・ユギョン、石原海）のトークセッションが福岡市美で行われた際、「市長賞という名前はおかしい、最優秀賞でいいでしょ」という趣旨の発言があった。 pic.twitter.com/oIBBrPdmNQ

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確かに、受賞作を選んだのは外部の選考委員であって市長や市の関係者は関与していないにもかかわらず、最優秀賞の名称が市長賞では、作家が違和感を抱くのは理解できる。ただ、私は市長賞でもいいのではと肯定的に考えている。なぜなら… pic.twitter.com/g7MNXadTti

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現代アートの有する政治性・批評性が物議を醸す事態がしばしば起こるが、市長賞の名を冠する以上、市長が選考結果に最終的な責任を持つと明確化されたことになるからだ。

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高島市長肝いりの Fukuoka Art Next 事業の目玉である福岡アートアワードで、戦争や植民地支配の歴史を問う作品が市長賞に選ばれた事実は、彼が内心で本作にどういう評価を下していようとも、将来大きな意味を持つかもしれない。

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参考記事：【artscape 2023年10月01日号（キュレーターズノート）】多様な声に耳を澄ませる「セーフスペース」としての美術館と、文化事業のゆくえ──「Fukuoka Art Next」をめぐって｜忠あゆみ https://t.co/5pqNXyvLlL

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