「FaN Week 2023」01
本日(9/16)、福岡市のアートイベント FaN Week が開幕。まずは会場の一つ、Artist Cafe Fukuoka(中央区の舞鶴公園 三の丸スクエア内)に行ってきた。 pic.twitter.com/KlDusnw9tJ
— タケ (@take_all_a) September 16, 2023
写真は Artist Cafe Fukuoka に展示されたジン・チェ&トーマス・シャインの作品。今まで見てきたインスタレーションで一番よかった。これは必見。アートに興味が無い人もこれだけは見てほしい。#FaNWeek pic.twitter.com/wUlcg6Eywd
— タケ (@take_all_a) September 16, 2023
舞鶴公園 / 福岡城址の潮見櫓を会場にした鎌田友介の映像作品。日本と韓国・朝鮮半島の間に横たわる歴史認識の差を建築・空間・身体によって重層的に表現している。鎌田は第1回福岡アートアワード受賞作家で、福岡市美術館に受賞作が展示中。先にそれを見た方が理解が深まる。#FaNWeek pic.twitter.com/U6q2VHmOw2
— タケ (@take_all_a) September 16, 2023
そして FaN Week のイベントとは別に、大濠公園近くの本願寺福岡教堂で開催された「笹(ささ)の墓標展示館巡回展」を拝見した。福岡の会期は今日(9/16)まで。朝日新聞の地方欄で知って滑り込みで見ることができた。 pic.twitter.com/1bYBzxv97O
— タケ (@take_all_a) September 16, 2023
戦時中、北海道幌加内町の雨竜ダム建設に日本人と朝鮮人の労働者が従事したが、過酷な労働で約250人が死亡。その遺骨は共同墓地の一画に墓標もなく埋められた。1980年代以降、発掘と返還事業が行われている。 pic.twitter.com/6syKvHOcGo
— タケ (@take_all_a) September 16, 2023
遺骨が埋められた場所に笹が生い茂っていたことから、笹の墓標展示館という名称の展示・追悼施設ができた。ところが2020年に雪の重みで倒壊。再建の募金集めの意味も含めて巡回展が行われている。次は山口県下関市(リンク先参照)。https://t.co/TGpmI29ZUd pic.twitter.com/KoHNmuLr1s
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福岡市のアートイベント FaN Week 2023 の続き。舞鶴公園の旧母里太兵衛邸長屋門に展示されたチョン・ユギョンの作品《OMURA-Yaki》(大村焼)。 pic.twitter.com/ms4mVYUz8B
— タケ (@take_all_a) September 18, 2023
前述した鎌田友介と同じく、チョン・ユギョンの《OMURA-Yaki》も政治的・歴史的な批判性が濃厚な作品で、日本と朝鮮半島の歴史を何層も重ねた意味が込められている。なおかつ、そういう重いテーマを一見すると可愛らしいオブジェクトで表現した点が巧みだ。 pic.twitter.com/UyYpPdD2CB
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コレが何かというと、金属不足の戦時中に製作された有田焼の陶磁器製手榴弾のレプリカ。その表面に政治的なメッセージなどを絵付けしている。 pic.twitter.com/IRLcV8hQOk
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ところで、福岡市美術館は Fan Week 2023 と同期間に「朝鮮王朝の絵画」展を開催中だ(撮影不可)。在日3世アーティストが政治的批判性の高い作品を発表した会場のすぐ近くで朝鮮王朝美術の企画展とは、捻れているというか皮肉な構図ではある。 pic.twitter.com/mqjaGSZ3Ta
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福岡市美の現代美術部門は Fan Week に参加する一方で古美術部門は関係がない。では、このタイミングでの朝鮮王朝展は偶然なのか狙ったのか? いずれにせよ韓国・朝鮮半島と関係が深い福岡市だからこそ生じた状況といえる。
— タケ (@take_all_a) September 18, 2023
また、福岡市美の松永コレクション展示室(撮影可)でも、朝鮮王朝展に合わせて近い時代の日本・中国・朝鮮の古美術を展示中。同展の朝鮮古美術を2点ほど上げておく。
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1枚目:青磁象嵌菊花柳文梅瓶(14世紀)
2枚目:高麗雨漏茶碗(15~16世紀) pic.twitter.com/I6MUFfrIfG
チョン・ユギョンが有田焼に注目したのは、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に日本に連れてこられた陶工達が有田焼のルーツという歴史による。なので、絵画中心の朝鮮王朝展より、陶磁器も展示した松永コレクション「秋の名品展」の方が、彼の作品と直接的に呼応している。
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展示の準備には相応の時間が必要なので、偶然だとしたらすごいタイミングの良さなのだが、実は市美の担当者が密かに狙ったのではなかろうか。深読みのしすぎかなあ?
— タケ (@take_all_a) September 18, 2023
鎌田友介の映像作品については、彼の福岡アートアワード受賞作を福岡市美で先に見た方がよいと先に述べたが、写真右奥がそれ。ただ、キャプションが最小限だったのが残念。左の赤いのは塩田千春の新作(どちらも撮影可)。 pic.twitter.com/OX1YtPRRQS
— タケ (@take_all_a) September 18, 2023
参考までに、福岡市美で2023年3~6月に開催された「第1回福岡アートアワード受賞作品展」(撮影可)に展示されたときの作品とそのキャプションを載せておく。 pic.twitter.com/Hm5C5K6ILS
— タケ (@take_all_a) September 18, 2023
「FaN Week」の会期は2023/10/22までだが、各会場によって公開日時が異なるので、出かける前に必ず公式サイトで確認していただきたい。https://t.co/tAXpCXhvj9
— タケ (@take_all_a) September 18, 2023
福岡市美術館は私の展示には関わっていないので、深読みしすぎだと思います。笑 https://t.co/qIIrdM55KI
— JongYuGyong (@JongYuGyong) September 19, 2023
ちなみに母里太兵衛も黒田長政も朝鮮出兵に参加していて、朝鮮の陶工を連れて帰り高取焼を作っています。(黒田は虎狩りもしていたそうです。)
— JongYuGyong (@JongYuGyong) September 19, 2023
その背景も踏まえつつ、今回の展示では侵略者の空間で在日コリアンが持つ「複雑さ」をいかに見せれるかが一つの個人的な課題でした。 https://t.co/Dnuh4SQb1F