高森湧水トンネル公園(高森トンネル)
先日、南阿蘇鉄道の第一白川橋梁(1枚目)と立野橋梁(2枚目)について述べたが、この路線の土木構造物の話をするなら高森トンネル(3枚目、熊本県高森町)もスルーはできない。 pic.twitter.com/8e7wKsDLYL
— タケ (@take_all_a) March 19, 2023
もっとも、高森トンネルは建設中に工事がストップしたので列車は走っていない。鉄道マニア界でいうところの未成線である。後に一般公開されて高森湧水トンネル公園という観光地になっている。 pic.twitter.com/f8KCkwR813
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阿蘇カルデラには、北側を通る豊肥本線と南側の南阿蘇鉄道の2本の鉄道路線がある。豊肥本線は熊本駅と大分駅を結び、南阿蘇鉄道は豊肥本線の立野駅から分岐して高森駅まで伸びている。 pic.twitter.com/l9bM6uEHYe
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現在の南阿蘇鉄道はカルデラ内で完結する盲腸線の形だが、前身である国鉄高森線の時代、宮崎県側の山間部を通る高千穂線との接続を目指して延伸工事が行われた。高森トンネルはその一部だ。 pic.twitter.com/dLXpYRWf4D
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高森トンネルは1973・S48に着工。完成して両路線が繋がれば熊本・宮崎間の九州横断ルートになるはずだったが、工事中に地下水脈に当たって出水事故が発生し、高森町の水源が枯渇してしまう。 pic.twitter.com/EKL5mStqPR
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新たな水脈は見つからず、トンネルの湧水を高森町の水源にするしか方策は無く、工事は中止。高森線と高千穂線は盲腸線のまま、前者は第3セクターの南阿蘇鉄道が、後者はJR九州がそれぞれ継承する。
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その後、高千穂線は2005・H17の台風で被災して2008・H20に全線廃止。南阿蘇鉄道 高森線も2016・H28の熊本地震で大きな被害を受けたがこちらは復旧工事が行われ、2023・R5年7月に全線再開の予定である。
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工事が中断した高森トンネルは、1994・H6に高森湧水トンネル公園としてオープンした。 pic.twitter.com/rDzjf75UNp
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トンネルの内部は中心に湧水を流す水路が、その両側に歩道がある。 pic.twitter.com/6qCzZy514P
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また、地元の子ども達が作ったオブジェや、煌びやかなイルミネーションが飾られている。 pic.twitter.com/uGtXg4v6qF
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トンネルの長さは2055m。一番奥まで黙々と歩く。 pic.twitter.com/ZXenvOJha3
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待避所を利用した倉庫。 pic.twitter.com/E0lLK8dk7y
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横穴があったので何かと覗いてみると、工事用の立坑があった。 pic.twitter.com/LWe3dZeY4F
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水が勢いよく湧き続けるトンネルの最深部。毎分32トンとのこと。ただし、この断面は装飾だろう。 pic.twitter.com/2SR1wsrD60
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高森町は阿蘇の南東部に位置し、トンネルの水を含むこの町の湧水は白川の水源である。以前も述べたように、白川は立野渓谷からカルデラの外に流れ出て熊本市を経て有明海に注いでいる。 pic.twitter.com/Exlr0lvTus
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ところで、高森町内の水源は白川水系の他に大分県に流れる大野川水系、宮崎県の五ヶ瀬川水系もある。一般的に山間部の県境は分水嶺が多い。もちろん例外はあるだろうが、それにしても3県3水系の水源が一つの自治体に集中するケースは珍しいのでは。 pic.twitter.com/VFueSYkZzJ
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