南阿蘇鉄道 復興レールウォークツアー01
#南阿蘇鉄道 は2016年4月に発生した熊本地震で被災して一部区間が不通となり、復旧工事が行われている。2022年9月にその復旧工事現場の見学ツアーに参加したときの模様を遅ればせながら報告したい。 pic.twitter.com/pveIIuS0p6
— タケ (@take_all_a) March 8, 2023
私が参加したのは南阿蘇鉄道の主催による「南鉄復興レールウォークツアー」で、2022年9月に11回開催された中の1回である。レールが繋がって訓練運転が始まるとこの種のツアーはできないため、このツアーは一般人が現場に入れる最後の機会だった。https://t.co/q3Qrh95cGH
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ツアーの集合場所は南阿蘇鉄道の起点である立野駅(熊本県南阿蘇村)。参加者はまずヘルメットとハーネスを装着した。2枚目は出発時に挨拶と説明をする南阿蘇鉄道の社員さん。 pic.twitter.com/dbC6dJDH8k
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バスに乗車して立野駅を出発。第一白川橋梁の現場に向かい、そこから線路を歩いて立野橋梁を渡って立野駅に戻るまでがレールウォークの区間。その後、バスで震災ミュージアムに移動して見学後、再び立野駅に戻るという行程だ。 pic.twitter.com/6MLaRevx6B
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バスの車内から。1枚目の前方に見えているのは立野ダムの現場のケーブルクレーン、2枚目は線路と第一白川橋梁のケーブルクレーンの塔。 pic.twitter.com/Pdha1men2L
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ここで、南阿蘇鉄道の状況を知らない方のために簡単に説明しておこう。南阿蘇鉄道は阿蘇カルデラの南側を東西に走る路線である。路線の長さ17.7km、駅数10、非電化単線。国鉄時代の高森線(開業1928・S3)を第3セクター形式で継承し運行している。 pic.twitter.com/RZ2jeIbAMz
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阿蘇五岳と呼ばれる中央の山々を挟んだカルデラの北側はJR九州の豊肥本線が通っており、南阿蘇鉄道は豊肥本線の立野駅から分岐する形となる。いわゆる盲腸線だ。終点はカルデラ南東部に位置する高森駅(熊本県高森町)。 pic.twitter.com/QPlyMoDeXa
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2016年4月の熊本地震発生後、被害が軽微な中松~高森は同年中に運行を再開した一方、立野~中松は特に立野渓谷の区間にある橋梁とトンネルの被害が大きく、今も不通で復旧工事が続く。よって、震災後から現在の南阿蘇鉄道は孤立路線になっている。 pic.twitter.com/2MeCzxYGCZ
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2023年2月9日、不通区間のレール締結式が行われて保守点検車両が走行。営業上はまだ孤立路線だが、レールの敷設は完了し、7月の全線再開に向けて試験運転を行っているのが現時点の状況である。
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TKUテレビ熊本:7月15日に全線開通予定 南阿蘇鉄道の全ての線路がつながるhttps://t.co/D2GTwBxgAc
参考記事:熊本日日新聞 > 南阿蘇鉄道のレール復旧完了 熊本地震から7年、全10駅の鉄路つながる https://t.co/6BACZUyoah
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外輪山の西側、立野火口瀬と呼ばれる切れ目における各種インフラの位置関係を地理院地図に示す。カルデラの北側を流れる黒川と南側を流れる白川が地形を削って立野渓谷が生まれ、2本の川は立野火口瀬で合流し白川としてカルデラ外(地図左)に流れ出る。 pic.twitter.com/1l8oBDGvdb
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豊肥本線は立野駅に設けられたスイッチバックで高さを稼ぎ、外輪山の裾野を黒川沿いに北上して渓谷の浅い場所に架けられた橋梁で川を渡る。一方、南阿蘇鉄道は渓谷をかなり深い地点で渡ると山を貫通して南東へ延びる。
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非常に険しい地形に鉄道を通すにあたり、2つの橋梁(第一白川橋梁と立野橋梁)と2つのトンネル(戸下トンネルと犀角山トンネル)が建設された。南阿蘇鉄道の復旧が長引いたのは、これらの被害が大きく工事に難航したため。
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Googleマップ3Dモードのキャプチャに加筆。2基の橋梁のうち立野橋梁は修復ができたが、損傷の大きい第一白川橋梁は架け替えとなった。2本のトンネルについては戸下トンネルは修復工事で復旧、犀角山トンネルは山そのものを削って撤去された。 pic.twitter.com/UH1qMWHFVJ
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黒川第一発電所は1914・T3に発電を開始した水力発電所だが、熊本地震で貯水槽が破損し、流出した水と土砂に住民2人が巻き込まれて亡くなっている。現在は復旧工事中。施工中の立野ダムは洪水調節専用ダムで、熊本地震の災害復旧工事とは関係ない。 pic.twitter.com/0VpqFKW5nd
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なお、先ほどのツイートに掲載した現在の地理院地図に消滅した犀角山トンネルが描かれているのは、南阿蘇鉄道の当該区間が(営業上は)まだ不通だからと思われる。7月の全線再開のタイミングで地図を更新するのではないか。(説明ここまで)
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見学ツアーの話に戻る。バスを降りたツアー参加者一行はさっそく架け替え後の第一白川橋梁に向かった。 pic.twitter.com/UZfIl2yGhS
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第一白川橋梁の上。このときレールはまだ無い。橋の両端に建っているのは架け替え工事に用いたケーブルクレーンの塔。 pic.twitter.com/LmrwiR0sfE
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橋の端部から望遠レンズで撮影したもの(通路の外には出ていません、念のため)。 pic.twitter.com/VX2aOcR2bm
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戸下トンネル側に建つケーブルクレーンの塔を解体している。 pic.twitter.com/dUhDj4Kwwf
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第一白川橋梁の上から立野渓谷を見下ろす。谷底を流れる白川は熊本市中心部を経て有明海に注いでいる。 pic.twitter.com/peExkYk2vt
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第一白川橋梁の上から立野渓谷の川上方向に目を向けると、渓谷に架かる道路橋群を一望できる。 pic.twitter.com/HKOsC2GEFL
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レール設置前の橋桁。 pic.twitter.com/TJJLaotJew
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第一白川橋梁のたもとからの構図。近すぎて全体像が捉えにくい。 pic.twitter.com/dmY4qRiDmo
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第一白川橋梁の細部。 pic.twitter.com/1YemxP5p0u
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見学ツアーとは別に阿蘇長陽大橋から撮影した第一白川橋梁の写真も上げておく。2枚目の下の方は白川と黒川の合流部。 pic.twitter.com/Csg1pu655Y
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第一白川橋梁
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1枚目:熊本地震の被災後、架け替え前。竣工 1927・S2、撮影 2020年6月。
2枚目:架け替え後。竣工 2023・R5、撮影 2022年9月。架け替え前の形式を踏襲しており、遠くからパッと見た程度では新旧の判別は難しい。 pic.twitter.com/SdwApZb7Gh
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