解体された槻田団地の逆さとっくり型給水塔と、北九州市に現存する同型給水塔
昨夜述べた槻田団地(福岡県北九州市)解体の続き。団地マニア界では、公団最初期の建設に加えて、 #給水塔 が逆さとっくり型という珍しい形であることでも槻田団地は有名だったが、住棟と共に給水塔も解体された。 #danchi #団地 pic.twitter.com/jHjCppc23A
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
昔撮った写真を見返してふと思ったのだが、給水塔が住戸の南側すぐ近くに建っているのも珍しい。私が団地巡りをした範囲では、住戸のベランダと給水塔がこれほど近い事例は他に見覚えがない。 pic.twitter.com/6i9WXwS9JQ
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
実際に建っていた以上は日照時間は確保されたはずだが、眺望の妨げや心理的な圧迫感といった問題は残る。給水塔を敷地の南東端(画像右上、方位は右が南)に配置すればその点は抑えられただろう。
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
※ 北端(左端)の空き地には当初は住棟があった。 pic.twitter.com/c2UHHFVbC4
ではあの位置にしたのはなぜか。団地住民のシンボルとする狙いで住棟間の中庭に建てた? あるいは、近隣への日影をなるべく抑えたかったからかな。敷地の北東側(画像でいうと給水塔の上)は隣地の方が地盤面が高い分、給水塔の影は短くなる。
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
ところで、全国の団地の給水塔を巡って記録・調査をされている日本給水党 党首のUCさん @watertowerUC は、多様な給水党の形状をとっくり型、ボックス型、円盤形などに分類してまとめている。
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
日本給水党 ブログ https://t.co/lkh1hALRNh 、インスタ https://t.co/fSr1H1m3Md
とっくり型給水塔は、一見して分かるようにお酒を容れる徳利(とっくり)に似ていることに由来し、それをひっくり返したタイプを逆さとっくり型という。
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
1枚目:大阪府住宅供給公社 金岡東B団地の給水塔(大阪府堺市)
2枚目:UR / 旧日本住宅公団 槻田団地の給水塔(福岡県北九州市) pic.twitter.com/cTebpokbkJ
UCさんによると、とっくり型給水塔は全国に点在するのに対して、逆さとっくり型は東京都と福岡県を中心とした九州地方にほとんど集中している。そして、九州に現存する逆さとっくり型は全て福岡県北九州市にある。 pic.twitter.com/WQelCQWKkR
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
というわけで、槻田団地の解体現場を見に行ったついでに、北九州市内の他の逆さとっくり型給水塔の現況も確認してきた。槻田団地と同じ1956・S31に竣工したUR / 旧公団 大谷団地(戸畑区)の給水塔は、遠方から目視で現存を確認した。掲載写真は2013~14年の撮影。 pic.twitter.com/YbOYkwzgyD
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
大谷団地周辺は道が入り組んでいて時間がかかるため、現地には行かなかった。槻田団地の解体により、旧公団に現存する逆さとっくり型給水塔は大谷団地だけとなった。 pic.twitter.com/ihULUkuYKF
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
というか、普通のとっくり型給水塔が公団にはもう残っていなくて、大谷団地の給水塔が公団最後なんだよね。ただし、平面が円形ではなく多角形のとっくり型ならばUR花見川団地(千葉市)にある。 pic.twitter.com/Xm08lye7BY
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
福岡県に逆さとっくり型給水塔が多いのは、福岡県住宅供給公社の前身、福岡県住宅協会がこのタイプを数多く建てたからだ(理由は不明、設計者の好み?)。その現存例のひとつが中井団地(北九州市小倉北区)。竣工は1953〜1954(S28〜29)年度で現存最古の逆さとっくり型。第一号かは分からない。 pic.twitter.com/KvVQr2Cnkl
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
中井団地はちゃんと現地に行ってきた。つまり2023年1月の撮影。 pic.twitter.com/NOnoCBRNlj
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
次も県公社で萩原団地(八幡西区)。2023年1月の時点で福岡県に現存する逆さとっくり型は北九州市の大谷・中井・萩原団地の計3基である。 pic.twitter.com/yNSuikbHIk
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
このアングルだと給水塔の背後に三菱ケミカルの煙突が見えていたのだけど、解体されて風景が寂しくなったなあ。 pic.twitter.com/5qJEigWhTc
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
さらに、実は山口県宇部市の市営住宅にも逆さとっくり型給水塔が1基ある。団地名は偶然同じ萩原団地。ただ、私が見に行った2016年時点で団地は廃止されており、今も残っているかは分からない。
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
Googleマップ https://t.co/VqmN73L81g pic.twitter.com/siJkhgFGVW
これ、給水塔にしては背が低くて妙なプロポーションなんだよね。カッコはあまりよくないけど愛嬌があるというか。もしこのツイートを宇部市やお近くの方がご覧でしたら、現存するかどうかご報告いただけるとありがたいです。 pic.twitter.com/bvqzluarqj
— タケ (@take_all_a) January 16, 2023
今日の時点で残ってるのか不安だったので見てきました。
— bakuneko6419 (@bakuneko6419) January 19, 2023
塔は残ってたけど隣接していた団地は最近解体されたようです。
塔は保存してほしいですがどうなることやら…。
また近くに来ることがあれば見てやってください😄 pic.twitter.com/pvEff7t47S
団地の解体後も給水塔を残す事例は極めて珍しいですね。推測ですが、土地の再開発にあたって再利用することを視野に入れているのかもしれません。実際に使うかどうかはともかく、ひとまず解体は保留しようという考えでは。
— タケ (@take_all_a) January 19, 2023