人吉城歴史館における「謎の地下室」の説明
熊本県内陸部の盆地に位置する人吉市。この地で発掘された「謎の地下室」と呼ばれる石造の遺構について、「ユダヤ教の沐浴施設ミクヴェ」の可能性があるという郷土史家の説を朝日新聞などが報道した。 #人吉 pic.twitter.com/2T8dZVyqox
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
朝日の当該記事は2022年9月19日付。「大きさや構造からユダヤ教の身を清める沐浴施設ミクヴェといっていい」という郷土史家のほぼ断定的なコメントを載せている。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
日本の城跡から見つかった謎の地下室 ユダヤ教の沐浴施設の可能性:朝日新聞デジタル https://t.co/gICsmfMgmN
朝日新聞は2018年にも「隠れキリシタンの遺構」や「ミクヴェ」説を掲載した。ただし「市教育委員会は「証拠がない」と慎重な姿勢をとり続ける」とも。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
人吉城跡に「謎の地下室」 隠れキリシタンの礼拝施設?:朝日新聞デジタル https://t.co/jEaGleRNaw
この「謎の地下室」=ミクヴェ説について、2022年9月24日に人吉市で開催されたシンポジウムに出席した研究者のひとりで、東京大学史料編纂所 准教授の岡美穂子氏(日本史)は、自身のブログで明確に否定し、郷土史家の結論ありきの動きを厳しく批判している。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
南蛮の華―岡美穂子の研究ブログ― > 2022年10月01日 最後にどうしても https://t.co/fjBSVItABJ
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「つまり私たちは、もともと存在した「かくれキリシタン」説から都合よく「ユダヤ」へ繋げるという、偽史形成を目的にして集められたメンバーであったのです。」
なお、岡美穂子氏は「謎の地下室」の建設にコンベルソ(ユダヤ教からキリスト教に改宗したユダヤ人)が関わった可能性は否定していない。そうだとしてもユダヤ教そのものと関わりがあるわけではないとの考えだ。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
2022年10月02日 追記 https://t.co/YHqEkq3uXY
「謎の地下室」は、人吉藩主の重臣の武家屋敷群があった場所から平成時代に2つ発見された。後に、最初に見つかった地下室の上に人吉城歴史館(写真)が、もうひとつの方にも建屋が建設され、2つとものぞき見ることができる(できた)。 pic.twitter.com/IlMWIxdtYX
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
(できた)とカッコ書きしたのは、2020年に人吉・球磨地方を襲った豪雨で被災したため、「謎の地下室」を内包する人吉城歴史館は休館して今も見学ができないから。もうひとつの方はガラス越しに見学可能だと思うが、検索した範囲では現状を確認できなかった。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
そこで、人吉城歴史館の再開の見通しが立たない現状を踏まえ、私が被災前の2019年に同館で撮影した「謎の地下室」とその説明文などの写真をこれからUPしていく(館内は撮影可)。 pic.twitter.com/TKMWzFRxJr
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「謎の地下室」の上には誰の屋敷が建っていたのか、その屋敷の主はどういう人物か、発掘調査で何が判明したのか。ミクヴェ説に関心を寄せる方々の参考となれば幸いである。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「謎の地下室」は人吉城歴史館内部の床に開けられた穴から見下ろせるようになっている。館の職員にお願いすれば地下室に入らせてもらえるのだが、私はそこまでの関心が持てなくて入らなかった(少し後悔している)。 pic.twitter.com/88QgDk0gTF
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「謎の地下室」に関する人吉城歴史館の説明文。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「1. 地下室の発見」「2. 地下室の築造者はだれか?」「3. 相良清兵衛とは」「4. 御下の乱」 pic.twitter.com/A5JsReNIZE
「謎の地下室」に関する人吉城歴史館の説明文。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「5. 地下室の廃絶」「6. 清兵衛地下室出土の陶磁器」「ココに注目!」×2 pic.twitter.com/4CB8rfxnoS
「謎の地下室」に関する人吉城歴史館の説明文。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「7. 出土種実」「8. 内蔵助地下室の発見」、発掘現場の写真 pic.twitter.com/nRjljhGuo9
「謎の地下室」に関する人吉城歴史館の説明文。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「用途について」、地下室遺構(相良清兵衛屋敷)と大井戸遺構(内蔵助屋敷)の寸法等 pic.twitter.com/4vTrYIUUNQ
清兵衛地下室で見つかった玉砂利とスギ板について。 pic.twitter.com/xYxVj8ahIM
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
熊本で観光ガイドタクシーを営む方のサイトに、地下室に入ったときの写真が載っている。
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
加来(英)タクシー > 人吉城歴史館~相良清兵衛屋敷の謎の地下室https://t.co/jMK1TxZkvy
Googleマップの写真モードで人吉城歴史館(相良清兵衛の屋敷跡)の位置を示す。周囲も武家屋敷の跡地で、東(写真右)を通る道路の向こう側に城主の館と人吉城が建っていた。北(上)を流れるのが2020年に氾濫した球磨川で、対岸が人吉市の中心部。 pic.twitter.com/ii2KCC3trZ
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
前掲とおおむね同じアングルから見た人吉城の模型写真(加筆)。縮尺は1/500。時代設定は「御下の乱」より後の江戸時代後期なので、相良清兵衛の屋敷は存在しない。 pic.twitter.com/WE2caeaytD
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
人吉城下の模型。 pic.twitter.com/QzbqXf6ZDB
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
武家屋敷群の「後口馬場」を再現した道から、城主の館や人吉城があった山の方向を見る。中央左の建屋の下に、もうひとつの「謎の地下室」=内蔵助地下室がある。こちらは見落としてしまった。 pic.twitter.com/rF8pFSwOWi
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
球磨川の中州から人吉城歴史館がある武家屋敷跡地を見る。ここは球磨川と胸川の合流地点で、2つの川に囲まれた部分は「西外曲輪( にしそとくるわ)」と呼ばれた。 pic.twitter.com/zDpqs8tkzz
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
「史跡人吉城跡」の現地説明板。 pic.twitter.com/gAYkd2w8j3
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
人吉城址の石垣や石段。 pic.twitter.com/Pect4ay2MJ
— タケ (@take_all_a) October 3, 2022
熊本県人吉市の「謎の地下室」はユダヤ教の沐浴施設「ミクヴェ」だとする地元郷土史家の説を、朝日新聞が9月に肯定的に報道したが、続報として本日付(2022/10/20)でこれを否定する学者3人の見解を紹介する記事が掲載された。
— タケ (@take_all_a) October 20, 2022
人吉地下室遺構の謎に迫る 人吉市でシンポ https://t.co/iQsc05rCcF
いちおう記事の前段で「謎解きは今後に持ち越し」と書いているものの、全体的には専門家3人がミクヴェ説を否定しているのに地元の人々が納得しない構図が浮き彫りになる書き方をしている。朝日新聞が軌道修正を図ったということかな。
— タケ (@take_all_a) October 20, 2022