2022年1月 長崎旅行09 現代建築(島原市、南島原市)
2022年1月の長崎旅行の話を再開。今回は島原市と南島原市の現代建築をお送りする。いきなり変化球を投げるが最初は島原城の天守。島原城は1624年(寛永元年)に完成し、明治時代の廃城令によって民間に払い下げられた末、1876・M9に解体された。 #島原城 pic.twitter.com/nvu3a76s4j
— タケ (@take_all_a) March 2, 2022
現在の天守は1964・S39に竣工した鉄筋コンクリート造のいわゆる復興天守であり、外観も江戸時代のものとは異なる。 pic.twitter.com/rkuOU9g6ib
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島原城天守を下から見上げる。 pic.twitter.com/2mqL6QSbGr
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次は島原市役所(2020・R2)。設計は佐藤総合計画 + INTERMEDIA 。後者は島原市を拠点に長崎県と近県を中心に活動する事務所だ。 #島原市役所 pic.twitter.com/TcLKHfUlXv
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島原城を想起させる庇を強調したデザインが特徴。2021年度グッドデザイン賞を受賞している。 pic.twitter.com/ZbbwWIa44U
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広場側の大階段から「川床デッキ」という展望デッキに上がれる(私は入らず)。 pic.twitter.com/27BYl9Lqpg
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昨夜の続き。島原図書館(武基雄、1986・S61)。武基雄は長崎市出身ということで長崎県内に複数の公共施設を設計した。彼の建築はコルビュジエを意識した骨太のデザインが多いが、島原図書館は趣が異なる。 pic.twitter.com/6oXDE016CV
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島原城のお堀沿いで昔は家老の屋敷があったという敷地の地域性を尊重して、島原図書館においては白壁に切妻屋根の瓦葺きという和風の外観にまとめている。 pic.twitter.com/IWc6LbD6CP
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時間の都合上、内部は見学しなかったが、ガラスの大開口部は閲覧室から島原城が見えるようにとの意図だろう。 pic.twitter.com/tNLSxNpVXM
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石積みの腰壁は、武家屋敷地区などに現存する塀や擁壁を意識したと思われる。 pic.twitter.com/sb1WKsklR6
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島原図書館と島原城の天守・櫓。手前の空き地は城の排水設備があったところ(埋設して保存)。 pic.twitter.com/YwXhRheknu
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島原城のお堀と島原図書館。 pic.twitter.com/0npssX07s6
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島原図書館の銘板と定礎。鐘ヶ江管一市長といえば、1990年代に発生した雲仙普賢岳の災害時に陣頭指揮を執った方として有名だ。 pic.twitter.com/JZruhkO6lN
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次も武基雄の設計で島原文化会館(武基雄 + 三建設計事務所、1974・S49)。こちらは島原図書館とは対照的に矩形の陸屋根という現代建築である。 #島原文化会館 pic.twitter.com/2uECrgnld0
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島原文化会館は島原城の二の丸跡地に建てられた。文化会館にしては建物高さがかなり低いのは、視界から天守を遮らないようホールを半地下に沈めているため。 pic.twitter.com/WVmavPal2j
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アプローチ道路から見た島原文化会館。構造は鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造。階数は地下1階 地上2階。 pic.twitter.com/rOZfSes7CZ
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平面計画については、大ホールと中小ホールを別棟に分離し、両棟間の中庭にロの字型の回廊を巡らせている。事務室も別棟で(中庭の小さな棟)、3つのボリュームから構成される。 pic.twitter.com/2DifKTojCM
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ネットに島原文化会館の建築写真がほとんど上がっていなくて、設計者の情報以外はほとんど何も知らなかったのだけど、行ってみて驚いた。なにこれめちゃくちゃ上手い! 傑作だよこれは。 pic.twitter.com/BQLfvqBB42
— タケ (@take_all_a) March 3, 2022
これほどカッコいい鉄骨造の回廊はなかなか目にできない。いやもう痺れたね。 pic.twitter.com/n7cK3mQdvM
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ただ、新聞報道によると、島原市は公共施設の統廃合で2026年度に島原文化会館を廃止する計画とのこと。
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島原文化会館:老朽化などで26年度廃止へ 市民団体が反対署名/長崎 | 毎日新聞 https://t.co/n7J3PIi5tS
記事に書かれた老朽化による維持管理コストや稼働率の低下に加え、私が見たところやはり上下移動のバリアフリー問題や、分棟型のためホール間の移動で一旦外に出なければならないなど、使い勝手で不利な部分は否めない。 pic.twitter.com/eVboCZRxBa
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とはいえ、これほどの昭和モダン建築の傑作を壊すのは実に惜しい。写真は中小ホール棟の中庭。コの字型で中庭はプールになっている。 pic.twitter.com/80HK6QRMRJ
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中庭に夢中になって外側はあまり撮っていない。 pic.twitter.com/1bfFzd9YV8
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大ホール棟のみ内部を見学させていただいた。写真は1階のロビー。鮮やかな色彩はコルビュジエの影響だろう。職員さんによると色は竣工時から変わっていないとのこと。 pic.twitter.com/zkjzwk22KR
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地階のロビーと階段。 pic.twitter.com/tSrqoqBnu3
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大ホール。 pic.twitter.com/NbXBzs1SiB
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森岳公民館(設計者・竣工年 未確認)。島原文化会館の隣で同じく島原城址にある。初見では公民館と分からなかった。 pic.twitter.com/RBhV1vVE9Q
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島原港ターミナルビル(三省設計事務所、1997・H9)。三省設計は長崎市の設計事務所。島原港(島原外港とも)からは三池港(福岡県大牟田市)と熊本港(熊本市)に定期航路が出ている。 pic.twitter.com/y1gM3gzrup
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最後は南島原市の口之津港ターミナルビル(三省設計事務所、2020・R2)。口之津港は島原半島南端に位置し、熊本県天草市の鬼池港と定期航路で結ばれている。 pic.twitter.com/VynLnugRid
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旅客船のターミナル機能の他、南島原市口之津支所や口之津歴史民俗資料館、観光案内所、土産物店、飲食店が入っている。外観は城郭や白壁の町屋といった伝統建築の要素をアレンジした感じだろうか。屋根のポールは南蛮船のマストのイメージ? 妻側の三角形スリットが面白い。 pic.twitter.com/CTUS6f6rh5
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海側の立面。 pic.twitter.com/M2InNkZKvi
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口之津港ターミナルビルの内部。 pic.twitter.com/jS3xNV4266
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