六本松再開発地区と鳥飼炭鉱
福岡市中央区の六本松地区は、九州大学が移転した後に再開発が行われ、商業・文化の複合施設、マンション、裁判所など司法関係の諸施設が建ち並ぶ街に変貌した。ところで私も最近知ったのだが、意外にもこの地は炭鉱と関わりがあったらしい。写真は2017年撮影。 pic.twitter.com/ztq3iEBIoy
— タケ@ALL-A (@take_all_a) October 2, 2021
福岡市の郷土史に詳しい人は、戦前から戦後しばらくの間、市内で複数の炭鉱が操業していた歴史はご存じかと思う。しかし六本松に炭鉱は無かったのでは、と疑問に思うだろう。
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六本松の再開発地区の歴史を簡単に説明すると、1922・T11に旧制福岡高等学校が開校し、戦後は九州大学教養部 / 六本松キャンパスに移行。九大が西区の伊都地区にキャンパスを統合したため、六本松キャンパスは2009・H21に閉鎖となる。画像は2008年のストリートビューから。 pic.twitter.com/1sQsB0REOO
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六本松キャンパス跡地はUR都市機構によって再開発され、福岡市科学館や店舗が入る複合施設「六本松421」、マンション、裁判所、検察庁、弁護士会館ができた。九大も六本松421の中に法科大学院を置いてこの地との関わりを維持している。 pic.twitter.com/3v6AmuLG5D
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再開発の目玉である「六本松421」は、入居する地元高級スーパー「ボンラパス」や六本松蔦屋書店がいつも盛況で、福岡市科学館も親子連れの人気スポットになっている。 pic.twitter.com/Z7CBonyInU
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さて、再開発地区の外周には緑豊かな遊歩道が整備された。写真左の建物は裁判所(以後は2021年の撮影)。先日、六本松蔦屋書店を訪れたついでに遊歩道を歩いた際、土地の歴史を記した複数の説明板が沿道に立っていることに初めて気が付いた。 pic.twitter.com/kZ0Ohkih8B
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写真は説明板のひとつだ。六本松の近隣に存在した鳥飼炭鉱の説明に続いて、再開発地区の裁判所の建設中に「鳥飼炭坑の名残と思われる石炭層が発掘されました」と書いてあるではないか。これは知らなかった。 pic.twitter.com/tnz1dWMF9Y
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鳥飼炭鉱は現在の福岡市立鳥飼小学校や市営住宅などの場所にあった。六本松再開発地区から西北西に約1kmの距離だ。明治・大正期に操業し、昭和初期はほぼ閉山状態だったらしい。産出した石炭は付近を流れる樋井川の水運や専用鉄道(運炭線)で運んだ。
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六本松・鳥飼地区を表示した今昔マップのキャプチャに付記。左は1926・T15測図の地形図。
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この画面のURL https://t.co/hgGwd6xeHt pic.twitter.com/AqsQW0uRa3
参考記事:三井住友トラスト不動産 このまちアーカイブス > 福岡 城南
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戦前期の高等教育施設と都市計画 https://t.co/5CxEnmCdiC
戦前期の城南地区の産業 https://t.co/2D7Ve3Qlzm
鳥飼炭鉱の跡地が鳥飼小であるとか運炭線の存在は私も知っていて、数年前に運炭線の痕跡を少し辿ったこともある。が、六本松再開発地区というか九大六本松キャンパスの場所が鳥飼炭鉱と関わりがあったとは全く意外だった。https://t.co/dSVzfcPCfs
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ただ、「名残と思われる石炭層」だけでは具体的に炭鉱のどういう施設があったのか分からない。貯炭場かボタ山だろうか。まさか露頭ではあるまい。発掘調査をしたなら市の図書館に報告書が納まっているはずで、本来はそれを読んでから話すべき事柄だが、取り急ぎ一報まで。
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実は「先日、六本松蔦屋書店を訪れた」目的は、西表炭鉱のドキュメンタリー映画『 #緑の牢獄 』を撮った黄インイク監督のトークイベントだった。会場の場所がピンポイントで炭鉱と関わりがあるとは、九州の歴史は炭鉱と切り離せないのだなとしみじみ思った。 pic.twitter.com/8a8Dx8pKVG
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