鳥栖機関区 国鉄官舎の給水塔
鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)は鹿児島本線と長崎本線の結節点だ。全盛期に比べると鳥栖機関区の規模は縮小したものの、鉄道の要衝としての重要性は昔も今も変わらない。現駅舎は1903・M36に完成し、1911・M44の増改築でほぼ現在の姿になった。 pic.twitter.com/wnNts95iaI
— タケ@ALL-A (@take_all_a) May 25, 2021
1889・M22の鳥栖駅開業から2019・R1に開業130年を迎えたことを記念し、鳥栖駅の通路には「線路下のギャラリー」という駅の歴史を解説するパネルが設置されている。 pic.twitter.com/aqUHiEgDlv
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鳥栖機関区全盛期の写真が多数展示されていて、実に充実した内容である。ただ、今回は鉄道ではなく団地マニア向けの話。鉄道写真の片隅に写っていた団地に関して、面白いものを見つけたので報告したい。 pic.twitter.com/dsXB3YTGL5
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併走する2両の蒸気機関車を撮った写真の左側に、団地と給水塔が写っている。キャプションによると「曽根崎町の元国鉄アパート」とのこと。住棟の方向から判断すると撮影場所は田代駅付近だろうか。撮影時期は未記載。 pic.twitter.com/yqKx9x7Utj
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国鉄アパート(国鉄官舎)を拡大してみよう。団地マニア諸氏は、おわかりいただけただろうか。不鮮明で判別が難しいが、給水塔の下部の方が若干狭まって見える。その通りの形なら、これは「逆さとっくり型給水塔」ではなかろうか。 pic.twitter.com/7NdNS28xgP
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国土地理院の空中写真閲覧サービスで調べると1975・S50や1987・S62の写真で給水塔の存在が確認できた。これは1975・S50撮影の写真(CKU7423-C10B-22)をトリミングして加筆したもの。URL https://t.co/PNpxPLz5ml pic.twitter.com/IRb9GJSNxL
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曽根崎町の国鉄官舎を拡大。塔状構造物の形状を真上から判別するのは難しいが、逆さとっくり型の可能性が高いと思う。 pic.twitter.com/Lo9gD8mdBe
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1961・S36の写真だとここは低層の建物で、当然給水塔は存在しない。おそらく昭和40年代に鉄筋コンクリート造の住棟と給水塔が建てられたと推測するが、この年代の空中写真はサイトに載っておらず、これ以上の絞り込みはできなかった。今も2棟が現存。給水塔は解体済みだ。 pic.twitter.com/DHM96tCB3g
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「逆さとっくり型給水塔」とは「とっくり型給水塔」の上下をひっくり返したタイプをいう。とっくり型給水塔は、文字通りお酒を容れるとっくりに似ているのでその名が付いた。写真は大阪府営 金岡東第2住宅(大阪府堺市)の給水塔。 pic.twitter.com/2Ep7aD6iKd
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とっくり型給水塔が偏在はあるにせよおおむね全国に分布するのに対して、逆さとっくり型はほとんど東京都と福岡県の2地域に集中し、デザイン的に珍しい上に現存数も減っている。写真は福岡県住宅供給公社 萩原団地(福岡県北九州市)の給水塔。 pic.twitter.com/D1bvhqoGCb
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とっくり型給水塔、逆さとっくり型給水塔とも、団地の給水塔の調査・研究の第一人者である「日本給水党」の党首UCさん @watertowerUC が命名、分類した。
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日本給水党(団地給水塔鑑賞ブログ) https://t.co/lkh1hALjXJ
UCさんの調査によると、長崎市の国鉄官舎に逆さとっくり型給水塔が存在したそうだ(現存せず)。私は福岡に住みながら、うかつにも見落としてしまった。
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日本給水党 > 極楽湯(国鉄三芳町官舎) https://t.co/0vdFTb7x8H
私は、長崎市以外の九州の国鉄官舎にも逆さとっくり型があったのではと予測していたので、(写真が不鮮明で断定できないが)佐賀県に存在した可能性があると分かったのは、大きな収穫だった。
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福岡県内の逆さとっくり型給水塔は、北九州市にある県公社(当時は福岡県住宅協会)中井団地のものが1953〜54(S28〜29)頃の建設と把握した中では最も古い。年代順に見れば、県の営繕から公団や国鉄の九州地区にデザインが伝播したと考えられる。 pic.twitter.com/KIP5BSHqS3
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