西中央公団住宅 解体
日本住宅公団(以下 公団、現在のUR都市再生機構)が建設した西中央公団住宅(1963・S38、福岡県北九州市八幡東区)の解体が迫っているとの情報を地元筋から得て、私も現地に行ってきた。撮影 2021・R3年5月初旬。 #danchi pic.twitter.com/Ieosphotgh
— タケ@ALL-A (@take_all_a) May 21, 2021
公団は羊羹型の住棟が並ぶ普通の団地の他に、都市部において、低層部にテナント等が、上層部に住宅が入る複合型の建築を早い段階から建設してきた。このタイプを市街地住宅といい、公団と土地所有者との共同事業で実施された。 pic.twitter.com/bNgIiRAnl5
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このようなビルディングタイプは今でこそ珍しくも何ともないが、昭和30〜40年代当時は最先端の建築だった。西中央公団住宅は9階建てで1〜3階はテナント、4階以上が住宅。戸数は104戸。北九州市の市街地住宅では規模が大きい方だ。 pic.twitter.com/RfJYeUm9O1
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隣接する八幡中央区商店街に面する部分。私が訪れた時は1階が仮囲いで覆われ、これから足場の設置が始まるところだった。お知らせ看板によると解体工事は2022年6月までの予定。 pic.twitter.com/5U4euDLYQZ
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北立面。 pic.twitter.com/hf93Vy2Bs5
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西中央公団住宅の竣工当時、テナント部分には八幡丸物百貨店が入っていた。丸物(まるぶつ)は京都で創業した百貨店で、かつては全国に展開したものの業績低迷で消滅した。 pic.twitter.com/0ZFeEHZqW7
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八幡丸物は、戦前に創業した地場の九州百貨店が1954・S29に丸物の傘下に入って誕生。八幡製鉄所の全盛期は八幡中央区商店街とともに買い物客で賑わった。写真は西中央公団住宅に移転する前の八幡丸物。八幡中央区商店街で開催された「懐かしの八幡 想い出写真展」から。 pic.twitter.com/eZBPL8y3qj
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八幡丸物は1971・S46に閉店し、ユニード八幡店(福岡市で創業したスーパー)が出店。ユニードがダイエーに買収されてダイエー八幡店に。グルメシティ八幡店を経て2009・H21に閉鎖。以後は解体時まで空きテナント(ウィキペディア「丸物」より)。写真はグルメシティ時代(2006・H18)。 pic.twitter.com/xjqPKaijPr
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西中央公団住宅が完成した1963年は五市合併で北九州市が誕生した年でもある。つまり、八幡市から八幡区→八幡東区に変わった後の街の栄枯盛衰を象徴する建築物だった。 pic.twitter.com/x2fd2MUQZL
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余談だが、旧丸物の建築では東京丸物が池袋パルコ(東京都豊島区)に引き継がれて現存する。設計は村野藤吾。同じく村野が設計した名古屋市の丸栄(写真、現存せず)も本来は丸物だったが、経営上の理由でグループを離脱している。 pic.twitter.com/tly8Vd7SLr
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