「三池港と洞海湾」展 第2会場
「明治日本の産業革命遺産」が世界遺産に登録されてから2021・R2年度で5周年になることを記念し、構成資産がある福岡県で企画展「三池港と洞海湾」が開催された。二つに分かれた会場のうち、前回述べた第1会場に続いて第2会場の方も少し紹介する。 pic.twitter.com/fWWKnYfeRV
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
第2会場は福岡県中間(なかま)市の中間市地域交流センター。会期は2021/1/23~2/6で既に終わっている(会期中にレポートするつもりが間に合わなかった)。とはいえ、内容は基本的に常設展示の再構成だったので、後で行ってもだいたい見られるはずだ。 pic.twitter.com/eu7sPAQ0B3
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
そもそも、なぜ中間市地域交流センターが第2会場なのか。福岡県内を流れる遠賀川は今の芦屋町で玄界灘に注いでいるが、河川の途中から運河(堀川運河という)を掘って分岐し、洞海湾に繋げる工事が江戸時代に行われた。この遠賀川と堀川運河は中間市を縦断している。 pic.twitter.com/BYW25qgCZg
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
また、遠賀川から八幡製鐵所の工業用水を取水する遠賀川水源地ポンプ室(写真)という施設が中間市にある。八幡製鐵所自体は洞海湾に面している。ポンプ室や八幡製鐵所内の一部施設は「明治日本の産業革命遺産」の構成資産だ。 pic.twitter.com/mHTa6ueHHh
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
この堀川運河とポンプ室の資料館が中間市地域交流センターに設置されている。正確には、地域交流センター内の一室に中間市歴史民俗資料館と遠賀川水源地ポンプ室インフォメーションセンターがある。そこで、その中に「三池港と洞海湾」展の第2会場が置かれた次第である。 pic.twitter.com/NhDasartgm
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
常設の説明パネルより、大正期の堀川運河の古写真。筑豊炭田の石炭は、「ひらた船 / 川ひらた」という小舟で遠賀川 → 堀川運河 → 洞海湾へと運ばれた。 pic.twitter.com/D65aIZcHaB
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
石炭輸送は水運から鉄道に切り替わるが、ある日突然ひらた船が全滅したりはせず、明治時代に筑豊興業鉄道が現在の筑豊本線を開業した後も、水運は需要が減少しつつしばらく残ったようだ。 pic.twitter.com/RuFsb74BA1
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
ひらた船の模型。帆を上げた状態の模型は意外と少ない。それと、キャプションに「福津市教育委員会蔵」と書いてあったことに軽く驚いた。遠賀川や炭鉱と関係の薄い福岡県福津市がどういう経緯でこの模型を所有しているのだろう。 pic.twitter.com/YfFQeildap
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
この模型のキャプションは、「はしけ」という海上用の石炭輸送船との簡潔な記述のみ。漢字では艀。洞海湾が浚渫される前の水深が浅かった時代、石炭はひらた船や鉄道から一旦「はしけ」に積んだ後、沖合の大型船に運んで積み替えていた。 pic.twitter.com/vZYvDrmQNK
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
「はしけ」の模型も福津市教育委員会蔵だった。なぜ福津市が? 地元の誰かが寄贈したのかな。他施設の収蔵品は、会期が終わったら返却されると思う(他にも数点ほど展示されていたが割愛)。これ以降は全て中間市の収蔵品である。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
遠賀川と堀川運河の分岐点には中間唐戸という水門が設置された。その大型模型。この写真は数年前に撮ったもの。撮影済みなので今回は撮らなかったのだが、以前のカメラはホワイトバランスがイマイチだな。撮り直せばよかった。 pic.twitter.com/5Kt32HeUoj
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
本物の中間唐戸(福岡県中間市)。完成したのは1762・宝暦12年。すぐ前に橋が架かって見学はしにくい。Googleマップ https://t.co/4ZB1pZYGKm pic.twitter.com/IK8TrTpD41
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
常設のパネルより、明治期の中間唐戸の古写真と構造の説明図。 pic.twitter.com/B7anyxbHyp
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
ひらた船で使われていた船箪笥。服などを入れていたとのこと。 pic.twitter.com/RnTEWRcz9w
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
一応このスレッドは堀川運河をテーマとした「三池港と洞海湾」第2会場の紹介が目的なので、地域交流センターの他の展示物(遠賀川水源地ポンプ室や炭鉱・鉄道関係)については割愛するが、産業遺産や鉄道ファンにはぜひ見てもらいたい。 pic.twitter.com/PL8NMm8LOd
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021
あ、堀川運河の写真を出し忘れていた。折尾駅(福岡県北九州市)付近を流れる水路がそれ。この光景は、石炭輸送の水運から鉄道への変遷や、折尾が鉄道の結節点で栄えたことを表していたが、当時の駅舎は解体されて飲み屋街もやがて消えてゆく。 pic.twitter.com/wyCYEFWWgt
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 7, 2021