「三池港と洞海湾」展 第1会場01
九州を中心に全国8県に点在する23の資産で構成された「明治日本の産業革命遺産」が2015・平H27年に世界遺産に登録されてから2021・R2年度で5周年になることを記念し、福岡県で企画展「三池港と洞海湾」が開催中だ。 pic.twitter.com/f2AvNdHVfm
— タケ@ALL-A (@take_all_a) February 3, 2021
世界遺産登録5周年記念『三池港と洞海湾~「明治日本の産業革命遺産」企画展3~』を開催します! - 福岡県庁ホームページ https://t.co/S6MQnWStal
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会場・内容は第1会場と第2会場に分かれ、前者は福岡県内3ヵ所を巡回、後者は中間市地域交流センター(中間市)のみとなっている。私は先日、北九州市立いのちのたび博物館(北九州市、会期 2021/1/9~2/7)の第1会場に行ってきた。 pic.twitter.com/UP6UTEfNAb
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この企画展は、福岡県の三池港(大牟田市)と洞海湾(北九州市)に焦点を当て、港湾開発や地元が発展した歴史などを紹介するものだ。三池港は三池炭鉱の石炭積み出し港に、洞海湾は筑豊炭田の積み出し港や八幡製鐵所の工場用地などに使われた。なお、三池港は世界遺産の構成資産。 pic.twitter.com/5ve0JBrHlD
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展示物は紙媒体の資料と説明パネルが主。洞海湾については世界遺産や産業遺産というより街の発展にウエイトを置いた感じで、その辺は北九州市の近代史に相応の関心がないと、興味を持ってもらうのは難しいかなという気はする。 pic.twitter.com/AXZdRJ6wZu
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洞海湾の埋立過程と現在のGoogleマップキャプチャ。 pic.twitter.com/YYqW2Dfprb
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以下、企画展の趣旨にはあまり拘らず、展示物から私が気付いた点を述べたい。これは洞海湾の東部に位置する旧 戸畑市(現 北九州市戸畑区)の地図。発行年は1935・S10。左下に下関要塞司令部の検印が押されている。 pic.twitter.com/UAOnHozqGc
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戸畑駅周辺を拡大。洞海湾の入り口、若戸大橋のほぼ真下に当たる位置に昔は「かば島」という小島があったが、船の航行の邪魔なので1940・S15に削り取られた。 pic.twitter.com/OynKFsXRvX
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かば島については以前に取り上げたことがあるので省略する。下記リンク先を参照されたい。https://t.co/38tKfZvkqZ
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ここで触れるのは、戸畑駅から洞海湾の岸壁に向かって延びていた短い引き込み線についてだ。今回、旧戸畑市時代の地図を見てようやく存在に気が付いた。現在も廃線跡を読み取ることができる(添付画像の枠内)。
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Googleマップ https://t.co/mwVj7n6xW8 pic.twitter.com/fgzKryGvYW
戸畑市は製鉄所をはじめとする重工業だけでなく、かつては水産業も盛んで、岸壁には共同漁業(現 日本水産 / ニッスイ)の漁業基地や冷凍庫、加工工場などが並んでいた。引き込み線はこの水産加工基地のため。
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写真は対岸の若松区から戸畑区の当該エリアを見たところ。共同漁業時代の社屋(竹中工務店、1936・S11)が現存し、その右手に水産加工基地があった。 pic.twitter.com/cjsPP7E4Aj
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ところで、鉄道ファンなら地図を見て線路が直角に折れているなんてあり得ないと思ったはずだ。どうやって車両を通したかというと転車台を使ったのである。コーナーの丸印は転車台の意味。 pic.twitter.com/N7NJw1Ey81
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引き込み線の廃線跡のレポートが下記に載っている。プラットホームも一部残っているらしい。私もいつか見に行こう。
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OK元学芸員のこだわりデータファイル > 戸畑渡船場付近を歩いてきました その3 https://t.co/FXvAYlyZLI
鳥瞰図絵師として有名な吉田初三郎による「戸畑市鳥瞰図」(1934・S9)。 pic.twitter.com/sai9dPSXbS
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水産加工基地の周辺を拡大。「戸畑市鳥瞰図」は以前にも見ているが、改めて見ると、この絵にも引き込み線が描かれていた。線路の敷地を白く塗りつぶしているようだが理由は分からない。 pic.twitter.com/XzW9c1veEm
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「戸畑市鳥瞰図」からもう1点。明治専門学校(現 九州工業大学)の部分を拡大。明専は安川電機をはじめとする安川グループの創業者、安川敬一郎が創設した工業専門学校だ。設立当初の校舎群は辰野金吾が設計した。 pic.twitter.com/UNMwKovZO0
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いのちのたび博物館の常設展示室より、明治専門学校本館の写真。辰野が手掛けた校舎で特に面白いのが本館で、和洋折衷の実に奇妙なデザインだった。 pic.twitter.com/aRQO0vE7Mr
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九工大の資料館に本館の模型が展示されている(私は未見)。なお、辰野の建築で現存するのは守衛所のみ。正門も設立当時のものだが設計者は不詳。https://t.co/HNxE5fVP8W
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企画展「三池港と洞海湾」第1会場の話の続き。遠賀川と洞海湾を結んで水上輸送を行うため、江戸時代に堀川運河が建設された。堀川運河については第2会場(中間市)のテーマだが、第1会場でも多少の説明はある。写真は中間唐戸(運河の水門)で使われていた堰板。 pic.twitter.com/eQJSBvc5Oy
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筑豊炭田からの石炭輸送が鉄道に切り替わるまでは、遠賀川や堀川運河を行き交う「ひらた船 / 川ひらた」と呼ばれる小舟で石炭を運んでいた。第1・第2会場とも、ひらた船の模型が展示されているが、いのちのたび博物館に行くなら常設展示室にある実物大の復元こそぜひ見ておきたい。 pic.twitter.com/spwxCOnoRS
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洞海湾の写真を出したいところだが、若戸大橋のついでに海岸の風景を撮ることはあっても、洞海湾を主題に撮ったことはなかった。ここでは若松区の久岐の浜の写真を上げる。昔は石炭輸送で栄えた若松駅のヤード、現在は団地とマンションが並ぶ。 pic.twitter.com/6l5yYA69yZ
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第1会場については、いのちのたび博物館(北九州市)の会期が2/7まで。その次は九州歴史資料館(小郡市)に巡回する。なお、いのちのたび博物館への入館はコロナ対策で時間帯指定の予約制になっているので注意すること。詳細は同館公式サイトで。 https://t.co/So3Wjdhn7E
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共同漁業(現 日本水産)戸畑工場の写真をHDの中から見つけた! 確か撮ったはずだと思って探していたんだよね。撮影 2005・H17。トロール漁業の拠点基地として大正期に建設されたもので、2006・H18に解体。(市原さんのウェブサイトより https://t.co/dRNF6ztHvl ) pic.twitter.com/6vO5ojVlRi
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要は魚市場で、かつて1階はピロティだった。件の引き込み線はこの建物の裏ではなく、浚渫船?が停泊している向こう側の岸壁に通っていたようだ。 pic.twitter.com/h1162yBgg2
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