線路敷ボードウォーク広場
大分駅とその付近の鉄道の高架化事業が完了したのは2012・H24。高架への切り替え後、大分市は旧線跡の細長い空きスペースを公園・歩道に整備した。そのひとつ、大分駅東側の日豊本線旧線跡に整備された「線路敷ボードウォーク広場」を紹介する。撮影は2020・R2年6月。 pic.twitter.com/6dSYrvf6Iq
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線路敷ボードウォーク広場(竣工 2019・R1、大分市)。企画・施工監修:九州大学大学院 工学研究院 樋口明彦准教授、設計:西日本コンサルタント(大分市)。Googleマップ https://t.co/xgzOLsINzS pic.twitter.com/FuyqEU2oMa
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地図中の「日豊本線東側鉄道残存敷整備事業」が線路敷ボードウォーク広場にあたる。下記リンク先から引用。
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大分市 > 鉄道残存敷の整備事業について https://t.co/cR9coHrPzL pic.twitter.com/XPjanXC8P1
線路敷ボードウォーク広場の敷地形状は長さが440mで幅員は15~27m。かつて線路があった歴史を示す意味で古レールを敷いているのが特徴だ(ただし旧線の正確なトレースではない模様)。背後の高架は切り替え後の日豊本線である。 pic.twitter.com/fL2dbtdcYi
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“線路” は途中で2本に分岐し、一方は築堤上のスロープ(斜路)を緩やかに上っていく。この築堤も公園整備時に新しく盛ったものだ。 pic.twitter.com/1htPBKvR2L
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分岐部分がポイントの再現になっていない点が鉄道マニアは物足りないだろうが、レールに合わせてデッキ材を敷き詰める都合上、複雑な納まりは難しいし、歩道という用途を考えれば簡略化したデザインで十分だろう。 pic.twitter.com/LMk2ESpLUf
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線路際に勾配標を設置するといったマニアックな仕掛けも施されている。勾配標の数値は実際の勾配を示しており、右のスロープ側の表示は千分率で 20パーミル、すなわち 1000m につき 20m 上がることを意味する。この程度の勾配なら車椅子利用者が自力で移動できる。 pic.twitter.com/YwqrbVkbwJ
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スロープの途中から下を振り返る。 pic.twitter.com/UEi1dxpdC3
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スロープの途中から先端方向を見る。これはどういう構造になっているかというと… pic.twitter.com/qTUEDGJCxS
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築堤はレンガ造橋台を模した擁壁で終わり、その先は鉄骨造の高架が少し延びて唐突に途切れている。 pic.twitter.com/wk22HrcNEz
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鉄骨造の高架の全体像。 pic.twitter.com/7GTO7hdAoQ
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線路敷ボードウォーク広場の東側には大友氏館跡庭園が広がっている。大友氏は鎌倉時代から戦国時代にかけて豊後国(今の大分県)を拠点に権勢を誇った一族で、庭園跡は1998・H10の発掘調査で発見された。 pic.twitter.com/gj866IelEp
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この庭園は大友氏19代当主・義長の頃に造られ、16世紀後半、21代当主・宗麟と22代当主・義統の時代に雄大な池をもつ庭園へ改修されたことが分かっている。大分市は庭園を復元して2020・R2年6月に一般公開した。 pic.twitter.com/qdrDPg6kvw
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庭園の復元工事が完了してオープンした直後に私は訪れたわけだが、現地に着いたときは閉園時間を過ぎていて園内には入れなかった。
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大分市 > 大友氏館跡庭園 https://t.co/3N7GUnR05k
線路敷ボードウォーク広場は大分駅と大友氏館跡庭園を結ぶ連絡通路でもあり、大分市はここを「大分歴史回廊」と呼んでいる。途切れた形の高架には、庭園を上から見渡せる展望デッキの役割がある。 pic.twitter.com/5kdTM6kvmO
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このように展望デッキという理由からデザインの説明は成り立つわけだが… どう見ても『銀河鉄道999』が元ネタだろう、と思ってしまうよね。実際、監修者の九州大学大学院 樋口明彦准教授は「日経コンストラクション」の取材において 999 に言及している。 pic.twitter.com/nyaN5BgaO3
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もちろん、あくまでもこれは線路跡のイメージと展望デッキの機能が融合した構造物であり、その説明できちんと筋は通っている。だからこそ上手いなあ。 pic.twitter.com/BBNt2YDk6m
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日経xTECH(日経コンストラクション)の参考記事。
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線路デッキの「細長いタイムマシン」 https://t.co/jPvf9u5gnn
「銀河鉄道999」のような風景を低コストで実現 https://t.co/7EroFYLzQw pic.twitter.com/QNUx2xsM3D
その他の参考記事。
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九州大学 景観研究室 > 大分市線路敷ボードウオーク広場 https://t.co/34ne0m8nWO
大分経済新聞 > 大分市がJR大分駅東の鉄道跡に「線路敷ボードウォーク広場」 https://t.co/hz85pjNc06 pic.twitter.com/qXhEQBv5Lg
高架橋の部材のうち、荷重がかからない装飾のアーチ部分のみレールを用いている。 pic.twitter.com/qylCTyM2pe
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また、築堤の擁壁の笠木や階段の石材には、かつて大分市と別府市を結んでいた路面電車である別大線の軌道に使われていたものが再利用されている。 pic.twitter.com/Iu61xbLlLh
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