宇部興産のダブルストレーラーと道路同士の踏切
トミカのミニカーとして「宇部興産 ダブルストレーラー」が2020/9/19に発売されることが、タカラトミーと宇部興産から発表された。トミカとしては大型の全長19cm。そして本物は34mもある。https://t.co/0gQkW2S1l3
— タケ@ALL-A (@take_all_a) July 31, 2020
宇部興産は山口県宇部市に本拠を置く建設資材や化学の総合メーカーだ。建設資材のメインはセメント。美祢市と宇部市の同社工場間は全長約31.94kmの専用道路で結ばれ、そこを原料の石灰石やクリンカーを積んだ大型トレーラーが行き交う。https://t.co/A37PsD9u7O
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この大型トレーラーは、1台のトラクターがトレーラー2台をけん引する3両編成で、ダブルストレーラーと呼ばれる。大きすぎて日本の公道は走行できないが、宇部興産専用道路は道路交通法の適用を受けない私道なので、その道路上や工場構内は走行可能だ。 pic.twitter.com/RqHAlJzQil
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3両編成、全長34m、最大積載量80t、総重量120t という日本では規格外の大きさと、宇部興産専用道路しか走っていない珍しさから、土木好きや産業機械・トラックマニアの間でダブルストレーラーはよく知られている。
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ダブルストレーラーを見る方法はふたつ。ひとつは専用道路沿いのアクセス可能な場所から。もうひとつは、当地の観光協会が実施する産業観光バスツアーのうち、宇部興産専用道路が組み込まれたコースに参加する。写真はバスツアーの車内から撮ったもの。 pic.twitter.com/tK1YwM6ZFH
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専用道路やダブルストレーラーが目当ての場合、専用道路の全部をバスで走行するコースを選ぶのが普通だが、私は他に見たいものもあったので別コースを選び、専用道路は宇部コンビナート内の一部だけを走った。 pic.twitter.com/Azf5Rk4aK1
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産業観光バスツアーの公式サイトは下記リンク先。ただし今年はコロナ禍のため現時点でツアーは実施できていない。 https://t.co/Ezseff3TGT
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ここからは、宇部コンビナート内にある宇部興産専用道路と一般道路の交差点に設置された踏切の写真をアップする。道路同士の踏切はたぶん国内唯一のはず。これも土木や工場マニアの間で有名な場所だ。撮影時期は2016年。地図 https://t.co/2AukILTC8t pic.twitter.com/tJdMIx2Mwz
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ダブルストレーラーは専用道路と工場構内しか走行できないし、一般の自動車は専用道路に入ってはいけない。専用道路と一般道路は立体交差が基本だが、この地点だけは平面交差にせざるを得ないため踏切がある。 pic.twitter.com/ZJOWYK7tQL
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トレーラーを牽引するトラクターのメーカーは日本のいすゞ、スウェーデンのボルボとスカニア、アメリカのケンワースの4社。ボンネットタイプがケンワースだ。スカニアだけ目撃できなかった。 pic.twitter.com/te4X7a9e1w
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トラック運転手と思われる方による見学記。各社トラクターの解説あり。
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宇部興産専用道路を見学しました https://t.co/rTb3os1aPd
スカニア公式サイトの記事
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SCANIAに託された、宇部興産ダブルストレーラーの未来 https://t.co/4XsYIUtFCz
宇部興産公式サイトの記事
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「翼」第4号:環境安全部だより https://t.co/WReONUOnJq
宇部興産専用道路は1972・S47に部分供用開始、1975・S50に興産大橋以外の区間が開通、1982・S57に興産大橋が完成して今に至る。ダブルストレーラーは道交法適用外の専用道路のみ走るので法律上のナンバープレートは付いていない。 pic.twitter.com/SiOys8mETI
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踏切を行き交うダブルストレーラーを一般道から見る。鉄道の踏切とは違うので、道交法で規定する踏切標識はない。専用道路の開通前、美祢市〜宇部市の石灰石輸送は旧国鉄の貨物列車が担っていたが、度重なるストや値上げを受けて自社専用道路の建設に踏み切った。 pic.twitter.com/Q1bqcHI6Ap
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道路同士の踏切は宇部コンビナートの真っ只中にあるが、公道から出ない限りは一般人が通ってもOKだ。ただし、一般用の駐車場はないし路上駐車もできず、市街地から歩いて行くしかない。写真は宇部コンビナートの出入り口。 pic.twitter.com/v9k4KSKYrb
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入り口から向かうと踏切の手前でカーブに差し掛かる。先が見えないブラインドカーブのため、こういうサインがある。 pic.twitter.com/vFud0Iwri1
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美祢市の伊佐工場から宇部市の宇部工場に向かう便は、セメントの原料となる石灰石や中間材料のクリンカーを輸送する。 pic.twitter.com/Hma3I0NZZm
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宇部工場の荷卸場で積み荷の石灰石(またはクリンカー)を排出するところ。鉄道のホッパ車と同じように、タンクの下部が開いて中身を落とすようだ。最初の方のツイートに載せた動画の 8:55 からそのシーンが映っている。 pic.twitter.com/TruJgAYZHg
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伊佐工場での積み込みは上から入れる(動画の 2:14 より)。鉄道からトレーラーに切り替えたとはいえ、積み荷(石灰石、クリンカー)が同じなら、上から入れて下から落とすという基本的な構造は変わらない。 pic.twitter.com/v8xxSxQp77
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この編成は後尾に「石炭車」のプレートが付いている。宇部工場から伊佐工場に向かう際は基本的に空荷だが、伊佐工場の発電所やクリンカ焼成工程で使用する石炭を運搬することもあるという。これはその便だろう。 pic.twitter.com/t6VkbpA932
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以下、余談。私が宇部コンビナートの中までテクテク歩いて行ったのは、道路同士の踏切を見たかったこともあるが、一番の目的はコンビナート内に保存されている沖ノ山炭鉱の竪坑櫓を見るためだった。宇部興産の祖業は炭鉱。 pic.twitter.com/15n40sLXT9
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その後、産業観光バスツアーに参加してビルの屋上から竪坑櫓を見ることができた。 pic.twitter.com/H2zA4RWBnT
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宇部興産の炭鉱は閉山したが、工場の発電所や焼成工程で使う分の石炭が海外から輸入され、宇部コンビナートの貯炭場に積まれている。そして、伊佐工場で使うためにダブルストレーラーで今も石炭輸送が行われているというのは面白い。 pic.twitter.com/M2HrSZr88L
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