福岡ビル03
福岡ビル(福岡市)の続き。3回目は、閉館直前の2019・H31年3月に開催された同ビルを回顧する「福ビル 思い出交差展」のパネルから、竣工(1961・S36)した頃の写真などを紹介する。 #福岡ビル pic.twitter.com/HmWDWmydFv
— タケ@ALL-A (@take_all_a) May 14, 2020
会場は福岡ビルの1階。「とうじ」や「ガトー風月」が退去した空きスペースにパネルが展示された。企画展の主催は西鉄。 pic.twitter.com/Z0EMnLV5cP
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冒頭の写真は「NIC(ニック)」のサインがあることから1966・S41年以降の撮影だと分かる。NICについては後述する。 pic.twitter.com/uyMSdaTTPO
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竣工当時の外部・内部。設計は日建設計工務 / 現 日建設計。地下3階、地上10階建て。 pic.twitter.com/Mnnfzkb7rJ
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竣工翌年(1962・S37)の天神中心部の空撮。「摩天楼」はオーバーだが、福岡ビルの他にも意外と中高層ビルが建っていたのね。 pic.twitter.com/acqlhuizMr
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より広範囲の空撮。天神から大名・赤坂方面を見たアングル。 pic.twitter.com/c2n7s8fXD9
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おおむね同じアングルの現状をGoogleマップの3Dモードで表示し、1962・S37当時から現存する主要なビルを記入した。確認できたのは福岡ビル(1961・S36、解体中)、天神ビル(1960・S35)、福岡パルコ / 旧岩田屋(1936・S11)、そして… pic.twitter.com/bPfw9JGrq6
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NTT天神ビル南館 / 旧電電公社の局舎については竣工年は未確認ながら、全体の形状や窓の位置、鉄塔の存在から1962・S37の写真と同じ建築だと判断した。また、前掲のキャプチャでは他のビルに隠れて見えないが、旧大名小学校(1929・S4)も Fukuoka Growth Next という施設にて現存する。 pic.twitter.com/wfUYFCPI7d
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竣工当時、福岡ビルの屋上にはヘリポートがあった。緊急用ではなく、なんと遊覧飛行を計画していたというのだから驚く。 pic.twitter.com/jjxwkCF40K
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しかしヘリコプターの遊覧飛行は実現せず、竣工翌年にはビアガーデンに転用された。当初の名称は「ヘリポート ビヤガーデン」。“ア” ではなく “ヤ” という表記に時代を感じる。 pic.twitter.com/yJC05dSvmj
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交差点の反対側に位置する天神ビルの塔屋(ある建築イベントで特別に入れてもらった)から見た福岡ビル。後年の屋上は設備機器に占められていた。 pic.twitter.com/WI0g7zLt0d
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竣工当時の各階テナント構成。地下1階と地上1階のテナントのいくつかは閉館する2019・H31まで残っていた。また、私が知っている時期はエスカレーターが通じる3階まで店舗(書店)が入っていたが、当初の2~3階は金融機関だった。 pic.twitter.com/t4RFlPd2Ux
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福ビルは西鉄の本社ビルでもあったので、5~6階は同社が占めていた。竣工当時の写真によるとヘリポートを設置するためか当初は屋上に塔屋が存在せず、エレベーター機械室等の設備をどこに収めていたのだろうと思っていたが、やはり10階全体が設備階だったのか。
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福岡ビルの続き。地上1階の主なテナント。「とうじ」は福岡市の老舗文具店、大賀薬局はオーガマンというヒーローキャラクターで話題となったあの薬局である。風月が1階の洋菓子店だけでなく、昔は9階でレストランも経営していたとは知らなかった。 pic.twitter.com/EWHPBkakVQ
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次は地下1階の飲食店一覧。ロイヤル以外はほぼ閉館時まで入っていた。念のために記しておくと、このロイヤルとはファミレスのロイヤルホストではなく、その原型となった本格レストランの方だ。今も福岡市の大丸と大濠公園にロイヤルのレストランがある。 pic.twitter.com/sGVkTRNQ4O
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ロイヤルが福岡ビルに出店した際、敷金・家賃が高額なことから合理化のために日本初となるセントラルキッチンを導入した。これが後のファミレス「ロイヤルホスト」などロイヤルグループ躍進の礎となる。
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参考:ロイヤルHD > 江頭匡一 私の履歴書 https://t.co/lepjwMZC3U 第十四話
ところが、コロナ禍による業績の悪化によってロイヤルホストが大量閉店との報道が流れた。うわぁ。ついつい安いジョイフルを利用しがちだけど、たまにはロイホに行って少しでも売り上げに貢献しよう。
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ロイヤルホストなど70店閉鎖へ 新型コロナで急速に業績悪化 https://t.co/jUSYSCGCIG
文化系の店舗。NIC(ニック)は海外のモダン家具を扱うインテリアショップで1966・S41に開業、1997・H9に終業した。この種の店が昭和40年代に地方都市にできたのはかなり先駆的だった。福岡では伝説的なショップ。終業後に入った丸善はよく利用したが、その後のTSUTAYAはほとんど行かなかった。 pic.twitter.com/Duc59Pw3Tz
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NICは西鉄と岩田屋の共同出資で、西鉄(N)+ 岩田屋( I )+ コーポレーション(C)という意味。販売や外商だけでなくインテリア設計も手掛けたらしい。三越や高島屋といった大手百貨店が持っている内装部門を、地方百貨店の岩田屋もやってみたということかな。
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こんな風に書いているけど、正直いうと私は NIC に行ったことがない。そのうち行こうと思いつつ、行かないまま終業してしまったんだよね。これは今も後悔している。
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NICの参考記事:
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AXIS > 伝説のインテリアショップとモダンデザイン(本のしりとり:インテリアショップ NIC編) https://t.co/WQ4UL6cxLW
工芸 青花 blog > 25 NIC https://t.co/Fdlx2lUbcV
これを出すのを忘れていた。福岡ビルの #大店法プレート 。 pic.twitter.com/4TfZYOKi3Z
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最後に、西鉄が製作した天神中心部のジオラマから福岡ビルの部分をあげておく。この模型は福岡ビルが竣工した1961・S36年時点を再現している。 pic.twitter.com/lFlobiTYOG
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東立面。 pic.twitter.com/3rr86Tmc6b
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俯瞰で見る。 pic.twitter.com/K0uWat0Xvb
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天神交差点に面する主要3ビル。左から福岡ビル(1961・S36、解体中)、岩田屋(現 福岡パルコ、1936・S11)、天神ビル(1960・S35)。この当時の岩田屋はおおむねまだ本来の姿だが、最上階などは改修されているようだ。なお、福ビル以外は今のところ建て替えの予定はない。 pic.twitter.com/mzjzU15gif
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「天神ビッグバン」で戦後のビルが次々に建て替えられる中、戦前に完成した旧 岩田屋の建築は改修されながら現役。いつまで残るかな。結局、建て替えは老朽化や耐震性よりも経済的な理由が大きいことがよく分かる。 pic.twitter.com/WsgjRK8IGm
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