オープンハウスカゴシマ2018 [01] 鹿児島市の現代建築
鹿児島県の建築公開イベント「オープンハウスカゴシマ」が2019/11/29~12/1に開催される。私は今年の参加は見送るものの、2018年に同イベントで見た建築を紹介しておく。もっと早めに公開するつもりが遅くなってしまったが、今後参加する人の参考になれば幸いである。 #オープンハウスカゴシマ pic.twitter.com/58c4dLI0Dv
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月28日
まずイベントの概要を。主催はオープンハウスカゴシマ実行委員会。2019年の対象エリアは鹿児島市と奄美大島。また、今年新たに重伝建に指定された武家屋敷群、加世田麓(南さつま市)などへのバスツアーも企画されている。詳しくは公式サイトでリーフレットを入手されたい https://t.co/Cth3dzHK1g
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2018年は鹿児島市と奄美大島の他に霧島市、姶良市、さつま町、薩摩半島と大隅半島の各地、種子島が入っており、今年はエリアをかなり絞ったことになる。個人的に、鹿児島市外のエリアに足を運ぶ人は少ないように感じていたので、縮小したのは妥当な判断だと思う。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月28日
2019年は徒歩で鹿児島市内の建築を巡る2時間のガイドツアーが2コース組まれている(去年はこういうツアーはなかった)。もっとも、基本的には大阪イケフェスなど他の建築公開イベントと同じく地図を片手に自分で巡り歩くことになる。
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移動手段は鹿児島市内中心部だけなら徒歩で何とかなるが、鹿児島大学稲盛会館などやや離れた所も行くならレンタサイクルがベスト。なお、尚古集成館などの近代建築群がある仙厳園方面には鹿児島駅から巡回バスで向かった方がよい。
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ところで、リーフレットを読むと「外観のみ」という条件が目立つことに気付くだろう。また、内部公開にも仙厳園の建築のようにもともと公開されているものが含まれる。よって、オープンハウスカゴシマのみ内部公開される建築を優先するなど、よく考えた上で見学先を選択されたい。日の短さにも要注意。
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鹿児島大学稲盛会館(安藤忠雄、1994・H6、鹿児島市)。鹿児島大学出身の京セラ会長 稲盛和夫氏が、同大工学部創立50周年にあたり寄贈した講堂である。 pic.twitter.com/OiDR7xx2Os
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安藤さんは初期の頃、大阪市中央公会堂の内部に卵形のホールを挿入する構想(アーバンエッグ)を発表するなど、よく用いる円形や楕円形とともに、卵形にも強く拘っている。それが初めて実現したのが稲盛会館だ。 pic.twitter.com/IJgaBbGgeQ
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本当に卵だ。よく打ったな、すごい完成度。施工は銭高組と地元の小牧建設。 pic.twitter.com/GXZagYnROk
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カーテンウォールの納まり。 pic.twitter.com/OFWkoA0hnq
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卵形、ブリッジ、カーテンウォールの取り合い。 pic.twitter.com/IUuJ7altYT
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エントランス。 pic.twitter.com/Jurb1NwiSQ
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卵形内部の廊下。 pic.twitter.com/YX9o0W1MYs
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ロビー。オープンハウスカゴシマだから内部見学が許されているのであって、通常は部外者の立入は禁止されている。念のため。 pic.twitter.com/gjB943YhnI
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お金持ちの寄贈によって実現した空間。ぶっちゃけ、パトロンを捕まえるのも建築家の才能のひとつだと実感する。 pic.twitter.com/yZHmkyaPpK
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すごいんだけど結果的にちょっとシュールな空間が立ち上がっている。なお、一番肝心なホールは講義中のため見学できず。講義終了を待つ時間の余裕はなかったので諦めた。 pic.twitter.com/JGBpoiqvBZ
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鹿児島市にはもうひとつ、BIGIビルという安藤さん初期の商業建築があるのだが(オープンハウスカゴシマの参加建築)、時間切れで見落とした。 pic.twitter.com/hEUbJb1bZu
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加治屋町教会・敬愛幼稚園(光吉健次・茂木謙悟 + 総合建築設計研究所、1976・S51、鹿児島市)。光吉健次は丹下研出身で九州大学のプロフェッサーアーキテクトだ。 pic.twitter.com/WvjVFEOWTZ
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教会は内部見学が可能。プロテスタント系ということで教会堂に十字架やマリア像のような分かりやすいシンボルを置かず、壁のスリットから漏れる光という抽象的な表現を中心に据えている。 pic.twitter.com/Wb5U7doYC5
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パイプオルガンとその設置スペース。 pic.twitter.com/SBSzZJODT7
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2018年に見た #オープンハウスカゴシマ 参加建築の続き(注:去年の話)。マルヤガーデンズ / 旧丸屋デパート(光吉健次、1960・S35、鹿児島市)。丸屋は地元百貨店。三越と資本提携した時期もあったが、それを解消して2010・H22にマルヤガーデンズとしてリニューアルオープン。改修はみかんぐみ。 pic.twitter.com/ZR1wyzrmoV
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月29日
光吉健次(九州大学)が設計した丸屋デパートの立面図。2015年に福岡市で開催された彼の作品展である「明日の建築と都市展」より。ネットでは竣工を1961年とする記載もあるが、ここでは同展の表記に従って1960年とする。61年はデパートの開業年だ。 pic.twitter.com/c95XZCFUcS
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現在の立面にオリジナルの部分はほとんど見出せないものの、建築本体は竣工当時から使っている。その功績によって第22回BELCA賞ベストリフォーム部門を受賞している。 https://t.co/N46cJK26Vp pic.twitter.com/WG3wRksbXc
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リニューアルにあたり耐震補強を含めて全面改修を実施。成長を続けながら、みんなが自然と集まる場所でありたいという願いで「ユナイトメント」というコンセプトを掲げた。地域百貨店として意欲的な姿勢。みかんぐみの他、ナガオカケンメイ、山崎亮らが参画。
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私はマルヤガーデンズ社員が案内する見学ツアー(オープンハウスカゴシマのプログラム)に参加した。内容は壁面緑化の説明が中心で、点検用通路にも上がらせてもらった。ただしこれは2018年の話で、2019年も同じ内容かは分からない。 pic.twitter.com/y1XIXepdTr
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月29日
売り場には「ガーデン」と呼ばれる複数のフリースペースが設置され、コミュニティ活動が行われている。壁面緑化はガーデンやコンセプトの表現。リニューアルオープン当初は葉が茂っておらず、枯れたりするなど苦労したようだが、数年経ってずいぶん成長した。 pic.twitter.com/pZfKk04N34
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トマルビル(設計者未確認、ディレクター 木下賢也、1967・S47、鹿児島市)。いわゆる #いいビル と呼ばれるデザインの古い雑居ビル。2018年から5年間の期間限定で(終了後はビルを解体)、様々なテナントが活動中である。 pic.twitter.com/ZMJZiawY9r
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テナントは古本屋、ダンススタジオ、ギター教室、カフェ、ゲストハウスなど。このビルをトマルビルとしてプロデュースしたまとめ役が地元の建築家 木下(きした)賢也氏。世界中を旅する打楽器演者という顔も持つ、非常に個性的な人物だ。 pic.twitter.com/tC0OQb4vGk
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なお、トマルビルは2018年のオープンハウスカゴシマ参加建築だったが、2019年はリーフレットに載っていないので対象外となった模様。 pic.twitter.com/a8dgEfQVfc
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トマルビルの階段室。 pic.twitter.com/L1aPyw3nry
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テナントの1室。ダンスか何かのスタジオだったかな。記憶が曖昧。 pic.twitter.com/k5Rb5EVWsP
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天井を撤去して露出したスラブ。昭和40年代の型枠はまだバラ板が使われていたことが分かる。 pic.twitter.com/MxBAxnwGLP
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4階は「ホステルトマル」というゲストハウス。元はオーナー住宅だったようで、当時のインテリアを活用しつつ適宜リフォームして使っている。和室は当時の舟底天井。 pic.twitter.com/qRAbKAdOS3
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地階は倉庫だったところをイベントスペースに活用。牢屋のような右奥の部分は、確かお米の貯蔵スペースと聞いたような… pic.twitter.com/Fbap2O9fvW
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次は鹿児島県産業会館(内藤建築事務所、1967・S42、鹿児島市)。量塊とそれを持ち上げる柱の力強い造形が魅力的。あまり知られていないがブルータリズムの名作だ。内藤建築事務所といえば医療系を得意とする有名な設計事務所が存在するけれど、そこと同一なのかは確認できていない。 pic.twitter.com/uvvmTD2iWO
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ホール下のピロティ。かぎ爪のような梁に見る者の心も鷲掴みされる。 pic.twitter.com/jWXdfeYDJG
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月29日
県産品ショップは増築かな。 pic.twitter.com/EQi756yMRm
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裏側。 pic.twitter.com/Z0NP7a08PK
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月29日
オープンハウスカゴシマでは鹿児島県産業会館については「外観のみ」の条件となっているが、事務所に申し出ればロビーくらいは見させてもらえるのではないか。ただし、このときは時間不足で外観の見学にとどめた。 pic.twitter.com/F22xcsEiPz
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月29日
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