長崎県営 魚の町団地 01
2019/5/11(土)、長崎市に戦後間もない1948・昭和23年度に建設された公営住宅「魚の町団地」の見学会が開催された。そのレポートをツイートする。見学会の時点で同団地は既に廃止されており、住民は退去済みの状態。 #danchi pic.twitter.com/sc3A3Z2QT8
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月6日
まず時代背景を説明すると、日本における鉄筋コンクリート(RC)造の集合住宅は、同潤会など戦前からいくつかの実例はあったものの、戦局の悪化による資材統制を受けて建設中断を余儀なくされる。
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戦後、住宅不足の解消と都市の不燃化の目的から、RC造集合住宅の建設は急務となる。その手始めとして、1948・S23、東京都港区に都営 高輪アパートが完成した。第1期の棟数は2、階数は4、構造は鉄筋コンクリート壁式構造だった(現存せず)。
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高輪アパート第1期の住棟を設計したのは戦災復興院住宅局で、設計期間の1947・S22年度から47型と呼ばれる。その改良型が1948年度標準設計=48型で、高輪アパート第2期をはじめ全国の主要都市に建設された。この47・48型こそ戦後の団地 / RC造集合住宅の原点だ。今回見学した魚の町団地も48型。
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48型が建設された都市は東京都、横浜市、静岡市、名古屋市、大阪市、神戸市、広島市、山口県下関市、福岡県八幡市(現 北九州市八幡東・西区)、福岡市、長崎市である。このうち私が現存(現役)を把握しているのは静岡市、広島市、下関市、福岡市。
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では魚の町団地を外観から見ていこう。見学会は、団地の管理者である長崎県の協力の下、長崎大学 安武研究室の企画で行われた。棟数はひとつだけ。平地が少ない長崎市らしく敷地が狭い。竣工当時の周囲は木造家屋ばかりだったろうが、今は民間マンションなどに囲まれている。写真は北立面。 pic.twitter.com/JRpXvOb3GT
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団地名を壁面に大きく記したケースは他にもあるとはいえ、中層棟ではちょっと珍しいかな。既に解体工事が始まっているかどうか分からないが、Googleマップでは3Dデータが見られる。 https://t.co/PJSnA0tzAY pic.twitter.com/4fn7wYNFf5
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南立面。昔の公営住宅は浴室無しが長らく普通だった。当時は一般住宅も浴室(内風呂)は備えておらず、みんな銭湯に通っていた。後に浴室(凸型の部分)を増築するにあたって、魚の町団地は敷地の狭さから少々強引な方法を採らざるを得なかった。 pic.twitter.com/fXkSxRHr1E
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地上の通路を確保するため、半階分高い階段踊り場に浴室を増築。よって、お風呂に入るには玄関を出て階段を上がらないといけない。 pic.twitter.com/aKE7sWf9Wu
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階段室の1階。後年の一般的な団地とほぼ同じだが、腰壁の笠木が木製というところに古さを感じる。また、住戸の収納スペース不足を補うため、地階(半地下)に倉庫を備えていた。 pic.twitter.com/bfqq2dwgth
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年11月6日
半地下の倉庫。階段室ごとにその住戸分の収納スペースがある。間仕切りは木製。マンションのトランクルームと基本的に同じ。これは47型には無く、48型で加わった改良点のひとつ。 pic.twitter.com/P5UsQShDu0
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収納スペースの面積は全戸分が同じではなく、多少の差があった。 pic.twitter.com/eYcN5fdqDP
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階段踊り場。ドアは前述した増築部の浴室。浴室は施錠されていて内部は見られなかった。後述する住戸内に洗濯機置き場が無かったので、それも増築部に置かれたようだ。 pic.twitter.com/9bzVQyClPk
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48型だけでなく、初期の団地は屋上を物干し場に利用していた。なお、48型はバルコニーが無くて、窓に物干し金物が付いている。
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※ ここで一旦スレッドを切ります。続きは後ほど。 pic.twitter.com/3mUzX3vs2H