書籍『産業遺産巡礼《日本編》』
産業遺産の研究者である市原猛志氏の著書『産業遺産巡礼《日本編》』(弦書房)を購入。タイトル通り、国内各地の産業遺産を市原さんが写真と文章で紹介する本だが、他の近代建築本とは異なるユニークな構成になっている。 pic.twitter.com/9371aX8eXj
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
まず述べておきたいのは、産業遺産という分野の範囲は一般の人の認識よりかなり広くて、工場や鉱山、土木だけでなく、官庁や銀行や教会、住宅など、通常は近代建築の枠内に捉えられるものも産業遺産に含まれる点だ。なので、本書は近代建築をはじめとする建築好きにも十分楽しめる。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
ならば、一般の近代建築ファンにも店頭で手に取ってもらえるよう、表紙には重厚なレンガ建築か瀟洒な木造洋館を載せるのが、営業的な判断であろう。ところが実際の表紙はコレw その正体は本書で確かめて欲しい(私も分からなかった)。 pic.twitter.com/baflsNzdOL
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
あえてこれを表紙に選んだところに、書店に並んでいる他の近代建築本とは違うぞという、産業遺産を調査・研究してきた市原さんのプライドを感じる。さらに、この表紙を認めた弦書房(福岡市)との信頼関係もうかがえる。大手出版社なら営業部門が反対するはずだ。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
また、この種のガイドブックは用途別や地域別で掲載物件を分類するところを、本書は意図的にバラバラに載せている。冒頭から広島→長崎→福島→栃木とあちこちに飛んでいるのだ。読み始めは戸惑うだろう。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
また、この種のガイドブックは用途別や地域別で掲載物件を分類するところを、本書は意図的にバラバラに載せている。冒頭から広島→長崎→福島→栃木とあちこちに飛んでいるのだ。読み始めは戸惑うだろう。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
この構成は著者が各地に赴いた過程をなぞっている。タイトルに「巡礼」と冠しているのはそのため。訪問日も記しているので、市原さんと同行した経験がある人は「これはあのときの…」と分かる仕掛けになっている。なお、巻末の掲載リストを参照すれば、分類されていなくても特に支障はない。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
主に九州・西日本の産業遺産・近代建築巡りにおいて、市原さんが過去に作成された個人サイト「産業考古学研究室」の「近代化産業遺産 総合リスト」 https://t.co/NDZwRp1SVm を参考にした人は多いだろう。私もずいぶんお世話になった。『産業遺産巡礼《日本編》』はその集大成といえる。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
現在、福岡市の丸善博多店には『産業遺産巡礼《日本編》』の特設コーナーあり。本書を平積みの上、掲載写真を何枚か展示している。位置は郷土史コーナーの近く。博多駅を利用される方はぜひこういう販促キャンペーンを行うリアル書店で買ってほしいと思う。 pic.twitter.com/hgOgwU6mfI
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
出版 自ら巡った産業遺産紹介 #九大大学文書館協力研究員・市原さん、本を 「産業考古学、定着させたい」 /福岡https://t.co/UyN6tu6gC0
— 毎日新聞福岡報道部 (@mainichi_houdou) 2019年8月14日
【追記】市原さんは弦書房のウェブサイトに「産業遺産巡礼」というコラムを連載されている。こちらもご一読を。 https://t.co/DUKUibsBKB
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年8月15日
そう、建築セクタの方なら常識的に思うでしょう?
— 市原猛志 (@sangyokouko) 2019年8月15日
実はこれ、出版社側の一押しだったのです。一連の『近代化遺産』シリーズで私たちの傾向と対策に慣れた弦書房代表がいくつか候補挙げる中で「これが私と装丁側の一押しです」と。そして私も同意せざるを得なかった(苦笑)。オメガ塔大好きですしね。