2019年5月 熊本旅行07 球磨川の利水施設
昨夜の続き。球磨川におけるダム以外の大型構造物としては、熊本県八代市の市街地に近い球磨川下流域に遙拝頭首工(ようはいとうしゅこう)がある。頭首工とは水路に引き込むために設ける堰や取り入れ口をまとめたものをいう。 pic.twitter.com/YtkxcIfqca
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年6月23日
遙拝頭首工は八代平野に農業用水を取り入れるための施設だ。また、農業だけでなく工業用水も取水している。一般的には遙拝堰とも呼ばれている。鋼製ローラーゲート6門、自動傾倒ゲート4門を備える。 pic.twitter.com/1PdYgGF37I
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年6月23日
八代平野は江戸時代の治水・干拓事業で農地に整備された。近世土木事業の大きな業績ではあるが、しかし限界があった。そこで戦後に行われたのが遙拝頭首工と水路網の建設だ。この図は現地案内板より。矢印(筆者が付記)が遙拝頭首工の位置でオレンジが農業用水、ブルーが工業用水の幹線水路を示す。 pic.twitter.com/9vnr3rHt2A
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遙拝頭首工の竣工記念碑。コンクリート製の本体が妙に新しいなと思ったら、銘板以外は近年に造り直したようだ。下記リンク先に当初の記念碑が載っている。
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ダムごはん☆2 > 342 遥拜頭首工MB https://t.co/WJdrgIkfOp pic.twitter.com/E9zEFLSFTW
こちらは国営八代平野農業水利事業の完工碑(← どうでもいいけど缶コーヒーに似ている)。 pic.twitter.com/qPeE4htW9Z
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球磨川の利水施設編の続き。遙拝頭首工(熊本県八代市)付近から下流を見る。手前の橋は国道3号の橋梁で、その向こうは肥薩おれんじ鉄道の球磨川橋梁。肥薩おれんじ鉄道は九州新幹線の開通で第三セクターに経営分離された鹿児島本線の一部区間を運営する鉄道会社だ。 pic.twitter.com/wHjs1cytdr
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ところで、この写真では少々分かりにくいが、国道3号橋梁の手前の川の中に、石を八の字状に積んだ構造物があるのが分かるだろうか。これは文字通り「八の字堰」という。 pic.twitter.com/YS4dyHYUBs
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2019年6月29日
八の字堰は肥後熊本藩初代藩主の加藤清正が江戸時代初期に建設したもので、もともとこれが遙拝堰だった。洪水流の緩和や灌漑用水の取水、アユの産卵場の形成といった機能を持っていたが、遙拝頭首工の建設時に撤去された。 pic.twitter.com/mGCAAqCZRW
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しかし撤去によりアユをはじめ球磨川下流域の生息環境が悪化。そこで八の字堰の復元工事が行われて2019・H31に完成した。事業主体は国土交通省八代河川国道事務所。この工事は環境保全だけでなく近代土木遺産の復元という意味もある。 pic.twitter.com/C9FvBakWn9
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なお、国道3号バイパス(南九州自動車道)には歩道が無い。ストリートビューで見え方を確認したところ、バスの座席にでも座らないとロクに見えなさそうだ。よって八の字堰を俯瞰で確実に見るには肥薩おれんじ鉄道に乗るしかない(またはドローンの飛行許可を取って撮影)。 pic.twitter.com/aqzyBtYbaS
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