基町団地のスターハウス
広島県の建築PR活動「ひろしまたてものがたり」の一環として、建築公開イベント「たてものがたりフェスタ2015」が10〜11月に行われました。そのプログラムで11/15に行われた市営基町高層アパートと県営基町住宅スターハウス(広島市中区)の見学会に参加しました。 #danchi
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 戦後、広島市の基町地区は原爆で家を失った人々が建てたバラック小屋が集積し、原爆スラムと呼ばれました。そのスラムクリアランスで市営・県営の団地群が建設され、建築・都市計画の業界では特に基町高層アパート(設計 大高正人)が有名です。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 見学ツアーでは基町高層アパートの屋上庭園(住民以外立ち入り禁止)にも入れました。写真はそこから県営基町住宅を見下ろしたところ。Y字型の住棟がスターハウス。この内部が見学できることが、私が参加した最大の動機です pic.twitter.com/ZfAjUIk3pm
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 県営基町住宅は建て替えのため解体されます。見学したスターハウスは既に退去済み。だからこそ見学できた次第。各地のスターハウスを見て回った私ですが、住戸内部に入るのは初めて。 pic.twitter.com/jVXZ3vZStl
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 基町スターハウスは、現代建築のデザイン要素である水平連続窓(横連窓)にこだわっている点が外観上の特徴です。他のスターハウスでも採り入れた例はあるものの、ここまで徹底しているのは少ない。 pic.twitter.com/OcuYCeyqeI
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a これはおそらく、日本初のスターハウスである茨城県営 釜神町アパートのスターハウス(設計 市浦健、竣工 1954・S29年度、現存せず)の影響だと思います。
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 茨城県営 釜神町アパート3号棟。円柱がユニーク。たぶん、内側の柱・梁の納まりから円柱になって、外側も統一したのでは。写真は茨城県住宅管理センターのサイトから引用 https://t.co/1MLkZlfFdy pic.twitter.com/lLQHKEzoYb
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 基町スターハウスの階段室。一般にスターハウスの階段・廊下は三角形に回して中央に吹き抜けというプランが多いのですが、基町の階段は普通の折り返しで、奥の両側に倉庫を設けています。 pic.twitter.com/Rwi0bizAYj
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 階数表記も普通は壁に算用数字を掲げるところを、基町は床にモザイクタイルでローマ数字という独特なデザインです。これは3階。 pic.twitter.com/CPJ7rSksJL
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a 4はローマ数字では IV ですが棒4本で表現。V のタイル貼りが難しい、あるいは IV だと分かり難いためでしょうか? だったらローマ数字に拘らなければいいのに、という気がしますがw pic.twitter.com/VJCF1l5wJl
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a そして5階はこれ。いちおう V を書いたのでしょうけど、ただの三角形 ▽ ですよね。だから算用数字にすればいいのにw pic.twitter.com/IhKhpigrXt
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 21
@take_all_a ローマ数字でも時計の文字盤にはIIIIと記す習慣がありますので、それに倣っているのかも知れませんね。
— passerby (@tokyopasserby) 2015, 11月 21
@take_all_a 基町団地スターハウスの続き。住戸は1階中央と5階片側の2戸が公開されました。まず1階から。こちらは基本的な中身は当時のままですが、内装はリフォームが施されています。 pic.twitter.com/z2naBKhgE2
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 基町団地スターハウスの基準階平面図。当日の配付資料から引用(作成はアーキウォーク広島)。内部が公開されたのは1階のBタイプと5階のAタイプです。 pic.twitter.com/voSrjjgIVl
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 複数の梁が半端な角度で接合するためか、A・Bタイプ接点の柱のみ円柱で納めています。昨夜言及した釜神町アパートはすべて円柱に対して、基町は一部のみ。外観ではほとんど分かりませんが、内部には柱型が出ています。 pic.twitter.com/fr8ufsh5yp
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 台所。流し台も入れ替え済みですが、シンクのセンターレイアウトはオリジナルを受け継いでいますね。その右の人研ぎ製洗濯流しは当時のまま(つまり洗濯機ではなく手洗いを想定していた)。 pic.twitter.com/V5Tsb4Slkp
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 便所。便器やドアは当時のもので、ドアや柱などの木部は塗り替え済み。 pic.twitter.com/vrQTpY361r
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a TOTOの旧社名である東洋陶器(Toyo Toki)のロゴ入り手洗い器。 pic.twitter.com/C7q2dpppnF
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a そして5階のAタイプ。こちらは竣工当時の状態がかなり残っていました。すごい。 pic.twitter.com/l9XpTgWja7
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 横連窓がかっこいい。スターハウスやボックス型のポイントハウスは全戸が三方外部に面した角部屋になるので、開口部の自由度が高い。とはいえ、窓をむやみに増やすと家具の置き場所に困る。 pic.twitter.com/NkypikSapf
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a この横連窓の寸法は、プロポーション、開口面積、家具置き場、隣接住戸との視線の交錯といった要素を考え合わせて決められたと推測します。 pic.twitter.com/9MhELVnFml
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a もっとも、見学会に参加された元住民の方によると、特に西側住戸は西日を防ぐため背の高い家具で窓を塞いでいたとのこと。また、壁に断熱材が入っていないため、結露を隠す意味もありました。壁にはカビの跡が。 pic.twitter.com/0cfvgVYp3U
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 板張りと畳敷きの境は段差あり。昔の団地でもここは基本的にフラットのはず。おそらく、入居者自身が板張りに畳を敷くことを想定。つまり、イス座を基本としつつ、旧来のユカ座にも対応できるよう設計しています。 pic.twitter.com/BcrgQur2yL
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 旧借地借家法が賃貸の畳は自腹なのを前提としていたのと関係あるかも?旧法では借主は大家に畳を買い取るよう請求できたんだとか。
— 公団てるにゃん (@codanwalker) 2015, 11月 22
@take_all_a ダイニングキッチン。流し台は竣工当時のオリジナル。前述の通り、人研ぎ洗濯流しが設置されていて、後年普及する洗濯機の置き場はありません。元住民の方によると洗濯機は浴室に置いて、入浴時は抱えて台所に移したとのこと pic.twitter.com/YJhS4JLade
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 流し台のステンレス天板は団地のおかげで普及しましたが、これと旧来の人研ぎ流しが並んでいるのは珍しい。 pic.twitter.com/C8BhHoBNm6
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a サンウェーブのロゴ。ステンレス天板をいち早く実用化したメーカーですね。 pic.twitter.com/x3xQsPjgmL
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 図面では円柱の柱型が浴室に出ているので、実際どうなっているのだろうと思っていたら、そのまんまでした。昔の公営住宅は、浴室設備は入居者側が設置することになっており、これもそうです。 pic.twitter.com/IymqCPqBVu
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22
@take_all_a 柱型のせいでバランス釜の給排気がとても面倒。本来、浴室に柱型は出さないものですが、住宅用換気扇が普及していなかった当時、浴室は外壁に接して窓を設ける必要があり、設計上この位置にするしかなかったのでしょう。 pic.twitter.com/kqCHAbyfO2
— タケ@ALL-A (@take_all_a) 2015, 11月 22